症状別

何かしらの病気を抱えている場合、大きく分類すると「見た目」「動き・行動」「便・尿」のどこかに異常が現れることが多いです。
小鳥はヒトの4倍ものスピードで年齢を重ねていくため、数日の放置が命取りになることも。普段と違うと少しでも感じたら、すぐに当院へ連れてきてください。

小鳥は言葉を喋ることができません。飼い主さんの日々の観察・健康チェックこそが、可愛い家族を守る第一歩となります。

見た目の異常

見た目の異常とは、普段の小鳥さんと違う点を見つけることです。
その時に、チェックするポイントとして・ご飯は食べているか?・膨らんでいるか?・羽のつやはあるか?・左右は対症か?止まり木に止まっているか?・気持ち悪そうにしていないか?などを見てください。普段からの観察が大切です。
小鳥は病気になってもなかなか具合の悪そうな様子を見せません。具合が悪い様子を見せ始めたら、それはかなり体調が悪いサインです。

1分1秒でも早く、受診をして治してあげましょう。

「膨らんでいる」場合に考えられる原因

多くの場合小鳥さんは病気になると膨らみます。また、小鳥さんは病気を隠します。近くにいると膨らまないでいることも、、、、。小鳥さんに気づかれないように、遠くから観察することも重要になります。

  • 様々な病気(感染症、内臓疾患など)
症例写真

遠くから見ると後ろを向いて寝ています。かなり調子が悪いはずですが、この小鳥さんに近づくと→

起きて、膨らんでいたことを隠します(このセキセイインコさんは上部気道疾患、バンブルフットなど)。

具合が悪い時、全身の羽が膨らみます。この時下に降りてしまう事も多く見られます(このセキセイインコさんは内分泌疾患・甲状腺機能低下症、代謝性疾患・甲状腺機能低下症など)。

 

身体がいたい時も膨らみます(このセキセイインコさんは変形性関節症、輸卵管疾患など)。

 

膨らんでいる時は羽をちゃんとたたむことができず、羽が地面につくほど落ちていることもあります(この文鳥さんは重度の感染症)。

「羽が変(形、色)、変わってきた」場合に考えられる原因

基本的に大人の小鳥さんの羽色は変わりません。羽の形も年齢とともに変わることはありません。

  • 飼育環境の問題(ケージによる羽の損傷)
  • 羽咬症、毛引き症
  • 感染症(ウイルス性、細菌性、真菌性、寄生虫性など)
  • 様々な内臓疾患
  • 代謝疾患(高脂血症)
  • 事故
  • その他の疾患
症例写真

小鳥さんの羽の形が変わる場合、羽毛形成が上手くいかない場合と、羽毛をいじって変形させてしまう場合があります。
なんとなくボサボサです。羽を広げると→

羽毛の成長に問題がある事がわかります(このコザクラインコさんは感染症・BFD)。

小鳥さんの羽の色は病気によって様々な色に変わります。黄色、赤、黒など様々に変化してしまいます。しかし、少しずつ変化していくために、なかなかな気付くことができません。

黄色い羽根(このオカメインコさんは代謝疾患・高脂血症など)。

 

黒い羽根(このセキセイインコさんは内分泌疾患・甲状腺機能低下症)。

 

黒い羽根(このアケボノインコさんは内臓疾患・肝臓障害、内分泌疾患・甲状腺機能低下症など)。

赤い羽根(このコザクラインコさんは内臓疾患・肝臓障害、内分泌疾患・甲状腺機能低下症など)。

 
 

一見問題のないヨウムさんですが、拡大すると→

 

全身の羽が変色しないこともあります(黄色←)。

 

その羽を見てみると黒から赤のグラデーションになっています。
これも病気のサインです(このヨウムさんは感染症・PBFD)。

この鳥さんの羽はグラデーションですが正常な羽根です。

 

(ズグロシロハラインコさん正常)

 

「羽を落として(上げて)いる」場合に考えられる原因

小鳥さんは常に羽を左右対称にたたんでいます。これができない時は病や事故の可能性があります。

  • 事故、外傷
  • 中毒
  • 飼育環境の問題
  • 神経的疾患(中枢性、末梢性)
  • 羽咬症、毛引き症、自咬症
  • 骨折などの骨の疾患
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 内臓疾患(肝臓疾患、腎臓疾患など)
  • 腫瘍疾患
  • その他の疾患
症例写真

正常な羽の位置。着目点は初列風切羽と尾羽の位置関係です(このセキセイインコさんは正常)。

 

全身状態が悪く、羽を落としています(このコザクラインコさんは内臓疾患・肝臓疾患、内分泌疾患・甲状腺機能低下症など)。

 

左羽が上がっている状態(このセキセイインコさんは骨の疾患・烏口骨骨折)。

お腹が大きくて正常な位置に羽を上げていることができません(このセキセイインコさんは腹腔内腫瘍疾患)。

 
 

「羽が抜ける」場合に考えられる原因

小鳥さんの羽は正常でも「換羽」と言われる形で羽根の新陳代謝が起こります。しかし、異常に抜けたり、抜けた羽根が変形していたりしていることはありません。

  • 換羽(正常)
  • 発情行動(メス、抱卵斑)
  • 同居鳥による毛引き
  • パニック(特にオカメインコ)
  • 栄養障害
  • 外傷、事故
  • 寄生虫疾患(羽毛ダニなど)
  • 内分泌疾患(甲状腺など)
  • 皮膚炎疾患(皮膚炎、皮膚腫瘤など)
  • ウイルス性疾患(PBFD、BFDなど)
  • 羽咬症、毛引き症、自咬症
  • 内臓疾患
  • その他の疾患
症例写真

換羽期の小鳥さんは驚くほど抜けます(この鳥さんは換羽期)。

 

粘着テープによって羽が抜けてしまいました(このセキセイインコさんは事故)。

 

羽が抜けてしまう病気もあります(この鳥さんは感染症・PBFD)。

「羽を抜いている(いじっている)」場合に考えられる原因

小鳥さんは1日に約2時間、羽繕(はづくろい)に時間を費やします。羽を繕う(つくろう)作業が過剰になったり、繕っていた羽を抜いてしまったりする場合は注意が必要です

  • 換羽
  • 発情(メス)
  • 遺伝
  • ネグレクト
  • 不規則な生活
  • 日光浴不足
  • 同居動物との関係
  • 環境問題(飼育環境以外の問題)
  • 飼育環境問題(飼育環境衛生問題など)
  • 羽咬症、毛引き症、自咬症
  • 栄養障害
  • 外傷、事故
  • 寄生虫疾患(羽毛ダニなど)
  • 甲状腺などの内分泌疾患
  • 皮膚炎疾患(皮膚炎、皮膚腫瘤など)
  • ウイルス性疾患(PBFD、BFDなど)
  • その他の疾患
症例写真

羽をいじっているため飛べません(この文鳥さんは羽咬症)。

 

羽をいじってしまうのは、様々な種類の小鳥さんで見られます(このセキセイインコさんは羽咬症)。

 

小鳥さん自身が羽を抜いてしまう事も(このセキセイインコさんは毛引き症)。

羽を抜くだけでなく、傷をつけてしまう場合もあります(このコザクラインコさんは羽咬症・毛引き症・自咬症)。

 

自分ではなく同居鳥による場合も、、(このセキセイインコさんは同居動物との関係)。

 

「出血している」場合に考えられる原因

小鳥さんの出血を見つけたときはまず「止めること」を一番に考えます。もし止められない、出血部位が分からない時は早急に病院へおいで下さい。

  • 事故、外傷
  • パニック(特にオカメインコ)
  • ケンカ(同居鳥、同居動物など)
  • その他の外皮系疾患(羽根、皮膚、その他)
  • 自咬症(SMB)
  • 中毒疾患(鉛など)
  • 消化器系疾患(ソノウ炎、腸炎、総排泄腔疾患、腫瘍など)
  • 内臓疾患(肝臓疾患など)
  • 泌尿器系疾患(腎臓疾患、腫瘍)など
  • 生殖器系疾患(精巣、卵巣、輸卵管)
  • 腫瘤疾患(体表、腹腔内など)
  • 上部気道疾患(鼻血)
  • 下部気道疾患(喀血)
  • その他の疾患
症例写真

どこから出血しているのかが重要です。この状態だとかごの中は血が飛び散っている状態です(このオカメインコさんはパニックによる)。

 

出血部位をいじるのでくちばしの先に血が付いていることも(このセキセイインコさんは事故、外傷を自傷)。

 

排泄物に血が混じる場合も(この小鳥さんの便は中毒、泌尿器系疾患、内臓疾患など)。

「鼻(ロウ膜)が変色、変形した」場合に考えられる原因

小鳥さんのロウ膜、特にセキセイインコのオスのロウ膜は時間とともに変色しません。そのため、ロウ膜の変色は病気のサインになります。

  • 加齢(軽度)
  • 発情(セキセイインコメス)
  • 事故、外傷
  • 寄生虫疾患(疥癬症など)
  • 上部気道感染症
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 内臓疾患(肝臓疾患など)
  • 生殖器系疾患(精巣ホルモン異常、腫瘍など)
  • その他の疾患
症例写真

セキセイ正常オス

 

セキセイ正常オス

 

セキセイ正常メス

メスのロウマクの変色。主に発情期に見られる(発情)。

 

オスのロウマクの変色。同じ変色でもこの小鳥さんは病気です(内分泌疾患、内臓疾患、生殖器系疾患)。

 

鼻腔への感染によって変形してしまいました(このコザクラインコさんは上部気道疾患)。

ロウ膜の色や形が分からなくなってしまう事もあります(このセキセイインコさんは外部寄生虫疾患・疥癬症)。

 
 

「ロウマクの上の羽が汚れている」場合に考えられる原因

小鳥さんはとてもきれい好き、羽が乱れることは飛ぶことにも影響するため普段からこまめにお手入れしています。羽根が汚れたままにしておくことはありません。

  • 求愛行動(オス、メス)による
  • 水浴び後
  • 水を飲んだ後
  • 薬などを投薬した後
  • 上部気道感染症
  • その他の疾患
症例写真

ロウマクの上の羽が鼻水でガビガビになっている(このセキセイインコさんは上部気道疾患)。

 

鼻水によって鼻孔がよく見える(このコザクラインコさんは上部気道疾患)。

 

鼻水が続くと汚れた羽が抜けてしまいます(このオカメインコさんは上部気道疾患)。

「頭の羽が汚れている」場合に考えられる原因

小鳥さんは1日のうち2時間ぐらい羽繕い(はづくろい)に時間をとります。頭の羽が汚れてもすぐにきれいにします。頭が汚いままでいることはないのです。

  • 求愛行動(オス)による
  • 求愛行動(メス 巣作り行動による)
  • 水浴び後
  • 薬などを投薬した後
  • 外耳炎(細菌性。真菌性など)
  • 感染症(ソノウ炎、胃炎、腸炎)
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 腫瘤疾患(腹腔内、頸部など)
  • 中毒疾患(鉛など)
  • その他の疾患
症例写真

水浴びの後の頭もかなり濡れますが、乾くのが早くすぐに元の状態に戻るため病気と異なります(このセキセイインコさんは水浴び後、正常)。

 

求愛行動が多いため、頭が汚れたままになっています(このセキセイインコさんは求愛行動、正常)。

 

嘔吐による頭の汚れがあります(このセキセイインコさんは感染症・ソノウ炎、腸炎)。

わずか数時間で汚れてしまいます(このコザクラインコさんは感染症・ソノウ炎、腸炎)。

 

頭の火傷によって頭の羽が汚れています(このセキセイインコさんは事故、怪我)。

 

「くちばし(嘴)の形が変形してきた」場合に考えられる原因

小鳥さんのくちばし(嘴)が伸びるスピードは思っているより速いです。しかし、伸びすぎてしまう事はありません。それはこまめに手入れを(咬んだり、こすったり)しているからです。伸びる場合考えられる原因は大きく分けて2つあります。1つ目は、くちばし(嘴)を手入れしない、あるいは出来ない理由がある。2つ目は伸びるスピードが速い場合があります。

  • 先天性障害
  • 栄養障害
  • 事故、外傷による変形
  • くちばし(嘴)への感染による変形
  • 上部気道感染症の後遺症
  • 内科疾患(肝臓疾患など)
  • 代謝性疾患(高脂血症など)
  • 内分泌疾患(甲状腺機能低下症など)
症例写真

くちばしが長く伸びている。自分で削っても間に合わないため、どんどん伸びていきます(このセキセイインコさんは代謝性疾患、内臓疾患、内分泌疾患など)。

 

くちばしが伸びて食べることができない(このオカメインコさんは上部気道疾患)。

 

事故によって上くちばしを失ったため、下くちばしの手入れができず伸びてしまいます(このセキセイインコさんは事故、怪我)。

「くちばしや脚の色が白っぽくなった」場合に考えられる原因

くちばし(嘴)の色は小鳥さんの状態を表すバロメーターになります。特に文鳥さんではくちばし(嘴)の色がはっきりしているため、健康状態を判断しやすいです。

  • 換羽
  • 栄養障害
  • 中毒疾患(鉛など)
  • 事故、外傷など
  • 自咬症(SMB)
  • 喀血疾患(上部気道疾患、下部気道疾患)
  • ソノウ疾患
  • 胃疾患
  • 腸疾患
  • 総排泄腔疾患
  • 腹腔内疾患(腫瘤など)
  • 内臓疾患(心臓疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、生殖器など)
  • 内分泌疾患(甲状腺機能低下症など)
  • 感染症(ウイルス性、細菌性、真菌性、原虫性、寄生虫性など)
  • 腫瘍性疾患
  • 自己免疫性疾患
  • その他の疾患
症例写真

くちばし、脚の色ともに赤いです。特に文鳥さんのオスははっきりしています(この文鳥さんは正常な男の子)。

 

くちばしの色が薄いピンクで貧血を起こしています。

 

脚の色も同じ薄い色になっています(この文鳥さんは感染症、内臓疾患、自己免疫性疾患など)。

くちばしの色と脚の色も薄くなっています(この文鳥さんは内臓疾患、内分泌疾患など)。

 
 

「ノド(胸)が腫れている」場合に考えられる原因

小鳥さんの首は意外と長く、首の骨の数は人の約倍、14個あります。この長い頸部のおかげで首を自由に動かすことができます。この部位が腫れると動きが悪くなってしまいます。さらには食事がとれなくなったり、呼吸が悪くなったりすることもあります。

  • ソノウ疾患(空気貯留、水分貯留、ソノウ結石、ソノウ異物、ソノウ下垂など)
  • 頸部疾患(事故、怪我、腫瘤など)
  • 頸部皮下気腫
  • その他の疾患
症例写真

右のくび(頸)が腫れている(頸部疾患、腫瘤)。

 

ソノウに食べた物や液体が貯留しているため、ノドが腫れています(このセキセイインコさんは内分泌疾患・甲状腺機能低下症)。

 

胸が腫れていて垂れ下がっているように見えます(このセキセイインコさんはソノウ疾患・ソノウ下垂)。

「お腹が大きい」場合に考えられる原因

小鳥さんのお腹は外観からでは分かりづらいです。外から見てわかる場合は大きな病気があり、進行している可能性があります。
また、お腹が大きい場合、姿勢や呼吸、便の状態など様々な所に変化がみられることが多いです。

  • 過肥(重度)
  • 産卵直前
  • 腹腔内疾患(オス:生殖器系疾患)
  • 腹腔内疾患(メス:生殖器系疾患)
  • 腹腔内疾患(肝臓疾患、腎臓疾患など)
  • 腹壁疾患(腹壁ヘルニア、キサントーマなど)
  • 総排泄腔疾患(腫瘤など)
  • 心臓疾患
  • その他の疾患
症例写真

小鳥さんのお腹が大きいことはなかなか気付く事が難しいです(このセキセイインコさんは腹腔内疾患(メス:生殖器系疾患))。

 

お腹が急激に大きくなる場合があります(このセキセイインコさんは腹腔内疾患(メス:生殖器系疾患))。

 

便が出づらいため、お尻が汚れています(このセキセイインコさんは腹腔内疾患・メス:生殖器系疾患)。

総排泄孔(お尻)が腫れています(このセキセイインコさんは腫瘤性疾患・総排泄腔内腫瘤)。

 
 

「お尻が汚れる(便や尿がお尻につく)」場合に考えられる原因

小鳥さんのお尻に便や尿がつくことはありません。お尻に便や尿が付く場合は小鳥さんに病気が起こしている可能性があります。

  • 産卵直前
  • 消化器系疾患(ソノウ炎、腸炎など)
  • 腹腔内疾患(オス:生殖器系疾患)
  • 腹腔内疾患(メス:生殖器系疾患)
  • 腹腔内疾患(肝臓疾患、腎臓疾患など)
  • 腹壁疾患(腹壁ヘルニア、キサントーマなど)
  • 総排泄腔疾患(腫瘤など)
  • その他の疾患
症例写真

お腹が大きいため、便が全てお尻の周りに付いてしまいます(このセキセイインコさんは腹腔内疾患、腹壁疾患など)。

小鳥さんは綺麗好き。お尻が汚れる場合、重大な原因があります(このセキセイインコさんは消化器疾患、腹腔内疾患、腹壁疾患など)。

「お尻から赤いものが出ている」場合に考えられる原因

お尻から赤いものが出る時、血液、腸、総排泄腔、輸卵管など重大な問題が発生していることを表しています。
すぐ病院へおいで下さい。

  • 事故、怪我(総排泄孔)
  • 羽咬症、毛引き症、自咬症
  • メスの卵に関係する繁殖疾患(総排泄腔脱、卵管脱など)
  • 腸疾患(細菌性、真菌性、原虫性、寄生虫性など)
  • 総排泄腔疾患(感染性、腫瘤性など)
  • 腹腔内疾患(オス:生殖器系疾患)
  • 腹腔内疾患(メス:総排泄腔脱、卵管脱以外の生殖器系疾患)
  • 腹腔内疾患(肝臓疾患、腎臓疾患など)
  • 腹壁疾患(腹壁ヘルニア、キサントーマなど)
  • 会陰ヘルニア
  • その他の疾患
症例写真

この状態になると自力で戻すことはできません(この鳥さんは繁殖疾患・卵、総排泄腔脱)。

 

小鳥さんを正面から見てもお尻から赤いものが出ていることに気付くことはできません。発見されるまで数日かかった場合もあります(このセキセイインコさんはメスの卵に関係する繁殖疾患・総排泄腔脱)。

 

赤いものは必ずしも卵を含むものではありません。産卵後であっても出てきてしまう場合があります(この文鳥さんはメスの卵に関係する繁殖疾患・総排泄腔脱)。

動き・行動の異常

普段と異なる症状が現れた場合は、何らかの病気・怪我の可能性があります。
普段と異なる症状とは、歩くことや飛ぶこと、あくびの回数の増加や咳、くしゃみなどを表しています。重要なことは他の小鳥さんとの比較ではなく、普段の小鳥さんとの比較です。

病気によっては時間帯によって症状が見られ、その時間以外は症状が消えてしまう病気もあります。様々な時間、角度から小鳥さんを見る必要があります。

「食欲がない」場合に考えられる原因

小鳥さんはこまめに食事をとります。食事を取らないということはありえません。大きな病気のサインの可能性があります。

  • 様々な病気(早く病院に来る必要があります!!)
症例写真

元気がないため、食欲がありません。じっとしていて膨らんでいます。遠くから見ても近くから見ても膨らんでいて動くことがありません(このオカメインコさんは中毒・鉛)。

 

足の麻痺によって動くことができません(このセキセイインコさんは繁殖関連疾患・低カルシウム血症など)。

 

「食欲が無い=食べてない」ではない場合があります。この小鳥さんはくび(頸)が曲ってしまって、通常の食事の与え方ではご飯を食べることができません。食事を与える環境を整える必要があります(このセキセイインコさんは事故による後遺症・斜頚)。

「目をよくつぶる」場合に考えられる原因

人は目をつぶるときに上まぶた(上眼瞼)を主に閉じます。しかし、小鳥さんは逆に下まぶた(下眼瞼)が動いて閉じます。
小鳥さんも寝る時は目を閉じます。しかし、目を閉じたままにはなりません。片目を閉じているのか、両目を閉じているかをよく観察することが重要です。

  • 睡眠
  • 体調不良(全ての病気)
  • 眼球疾患(事故、怪我、感染、緑内障など)
  • 結膜疾患(感染症など)
  • 瞬膜(第三眼瞼)疾患(感染症など)
  • 眼瞼(まぶた)疾患(事故、怪我、感染など)
  • 神経疾患(感染、腫瘤など)
  • 上部気道疾患(感染症、オカメインコの開口不全症など)
  • その他の疾患
症例写真

目の容器を発症すると、病気によるものだけでなく、自傷してしまい開かなくなることもあります(この文鳥さんは眼球疾患、眼瞼疾患、上部気道疾患など)。

 

目が開かないままにしておくと、眼球の確認も難しくなります(このセキセイインコさんは眼球疾患、眼瞼疾患、上部気道疾患など)。

 

目の病気がなくても目をつぶることもあります(このオカメインコさんは上部気道感染症・オカメインコの開口不全症)。

「あくびが多い」場合に考えられる原因

小鳥さんもあくびをします。しかし、あくびの回数が日々増えていくことはありません。

  • 睡眠不足
  • 神経疾患(発作など)
  • 中毒疾患(鉛など)
  • 口腔内疾患(感染、腫瘤など)
  • 食道疾患(腫瘤など)
  • ソノウ疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 胃疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腸疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • その他の疾患

「吐く(嘔吐)」の場合に考えられる原因

小鳥さんはオスもメスも繁殖期に吐くことがあります。求愛行動です。この求愛行動と病気を区別する必要があります。
繁殖期の求愛の場合は対象物(人、同居鳥、同居動物、自分、物など)が存在します。オスは対象物に食事をあげるため、メスは子育てのつもりで求愛行動をとります。

  • 繁殖期の求愛行動(オス)
  • 繁殖期の求愛行動(メス)
  • 食後の激しい運動
  • 異物、刺激物、中毒物の摂取、誤嚥
  • 神経疾患(発作など)
  • 中毒疾患(鉛など)
  • 口腔内疾患(感染、腫瘤など)
  • 食道疾患(腫瘤など)
  • ソノウ疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 頸部疾患(腫瘤など)
  • 胃疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腸疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 下部気道疾患(ウイルス性、細菌性、真菌性、寄生虫性など)
  • 薬物反応性
  • その他の疾患
症例動画
症例写真

小鳥さんが吐くと頭が汚れる特徴がみられます(このセキセイインコさんは胃腸疾患、ソノウ疾患など)。

 

唾液や吐物は粘稠生があるため、後頭部方向へ流れていきます(このセキセイインコさんは胃腸疾患、ソノウ疾患など)。

 

食事がソノウから流れることができずに吐いてしまったため顔が汚れている(このセキセイインコさんは内分泌疾患、感染症など)。

「口(くちばし)を開けて呼吸している」場合に考えられる原因

口(くちばし)を開けて呼吸をすることを開口呼吸と言います。
小鳥さんは口(くちばし)を開けて呼吸をすることはあまりありません。時に文鳥さんで緊張や興奮で見られます。しかし、落ち着けば口(くちばし)を閉じて元の呼吸に戻ります。

  • 発情
  • 産卵
  • 成長障害(ヒナ)
  • 栄養障害(主にヒナ)
  • 過肥
  • ストレス
  • 緊張
  • 警戒、威嚇
  • 興奮(オカメパニックなど)
  • 疼痛
  • 温度(高温)
  • 湿度(高温、多湿)
  • 中毒(鉛など)
  • 貧血(出血、内臓疾患、自己免疫性疾患など)
  • 事故、怪我など
  • 神経性疾患(発作など)
  • 口腔内疾患(感染、腫瘤など)
  • 頸部疾患(腫瘤など)
  • 上部気道疾患(ウイルス性、細菌性、真菌性、事故、怪我など)
  • 下部気道疾患(ウイルス性、細菌性、真菌性、寄生虫性など)
  • 食道疾患(腫瘤など)
  • ソノウ疾患(感染、腫瘤、など)
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 胃疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腸疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • その他の疾患
症例写真

貧血によって開口呼吸をしています(この文鳥さんは貧血)。

 

わずかに口(くちばし)に隙間がある事が分かります。初期ではわずかに開くことが多いです(このコザクラインコさんは下部気道疾患・感染症)。

 

開口呼吸をするのは呼吸器疾患の時だけではありません(このセキセイインコさんは腹腔内疾患・生殖器系疾患)。

「呼吸が早い」場合に考えられる原因

小鳥さんの呼吸が早いのを見分けるのはなかなか分かりづらいです。重要なポイントが2つ。
 尾羽を振りながら呼吸をしている(ボビング)
 上を見て(顎を上げて)呼吸をしている(スターゲイジング)
病状が非常に悪い事を表しています。この症状を見たらすぐ病院へ来る必要があります!!

  • 発情
  • 産卵
  • 成長障害(ヒナ)
  • 栄養障害(主にヒナ)
  • 過肥
  • ストレス
  • 緊張
  • 興奮(オカメパニックなど)
  • 疼痛
  • 温度(高温)
  • 湿度(高温、多湿)
  • 中毒(鉛など)
  • 事故、怪我など
  • 神経性疾患(発作など)
  • 口腔内疾患(感染、腫瘤など)
  • 上部気道疾患(ウイルス性、細菌性、真菌性、事故、怪我など)
  • 下部気道疾患(ウイルス性、細菌性、真菌性、寄生虫性など)
  • 食道疾患(腫瘤など)
  • 頸部疾患(腫瘤など)
  • ソノウ疾患(感染、腫瘤、など)
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 胃疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腸疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • アレルギー
  • 発作性
  • その他の疾患
症例写真

この鳥さんは呼吸が早いため、顔色がややチアノーゼなのがわかります(このコンゴウインコ(Mix)さんは下部気道疾患・感染症)。

呼吸が早くなるとアゴを上げて、できるだけ呼吸が楽になるようにします(このセキセイインコさんは腹腔内疾・生殖器系疾患)。

「咳をする」場合に考えられる原因

小鳥さんの「咳」は「くしゃみ」と非常に区別がつきづらいです。
咳は「ケッケッ、キャンキャン」など比較的、乾いた感じで聞こえます。
くしゃみは「クシュクシュ」など連続して出ることが多い。
ただ、咳でも重度になると「ゲチョッゲチョッ」と湿った音になります。この時は重度の呼吸障害を伴います。
病状が非常に悪い事を表しています。この症状を見たらすぐ病院へ来る必要があります!!

  • 温度、湿度
  • 吸入中毒(刺激性ガスなど)
  • 下部気道感染症(ウイルス性、細菌性、真菌性、寄生虫性など)
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 腹腔内疾患(心臓疾患、肝臓疾患、腎臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(腫瘤、のう胞、腹水など)
  • 生殖器系疾患(オス腫瘤、嚢胞など)
  • 生殖器系疾患(メス腫瘤、嚢胞など)
  • その他の疾患
症例動画

咳の音はよく耳を澄まして聞くことが大切です。

「くしゃみをする」場合に考えられる原因

小鳥さんのくしゃみの特徴は「クシュクシュ」音だけでなく、ロウマク(鼻)の上部が鼻水で汚れたり、進行すると結膜炎や顔が腫れたりするなどの症状が見られます。顔が腫れると正面から見て左右が対象ではなくなるので気付くことができます。

  • 緊張
  • 興奮
  • 習慣行動
  • 刺激物吸引
  • 吸入中毒(刺激性ガスな)
  • 上部気道疾患(ウイルス性、細菌性、真菌性など)
  • 腫瘍性疾患
  • アレルギー
症例写真

くしゃみによって鼻孔の上の羽が汚れて、鼻の穴が見えます(このボタンインコさんは上部気道疾患・感染症)。

ロウマクの上が鼻水で汚れて、鼻孔が塞がっています。また、長期間鼻水が出ていると羽が抜けてしまいます(このオカメインコさんは上部気道疾患・感染症)。

「飛ばない(飛べない)」場合に考えられる原因

小鳥さんが飛ぶことは非常にデリケートで繊細な行動です。
神経、骨、筋肉どれ1つとっても欠かせないものになります。さらにそれが上手く連携しなければ飛べません。何らかの理由で飛ぶことができなくなった時、大きなストレスとなりさらなる病気の原因となることもあります。

  • 成長障害(ヒナ)
  • 栄養障害(主にヒナ)
  • 重度に痩せている(食事忘れなど)
  • 過肥(重度)
  • 事故、怪我
  • 中毒(鉛など)
  • 神経症状(中枢性、非中枢性など)
  • 関節症(変形性、カルシウム沈着など)
  • 骨折
  • 羽の腫瘤(良性、悪性、キサントーマなど)
  • 羽咬症、毛引き症、自咬症(FDB、SMB)
  • 外部寄生虫疾患
  • ウイルス性疾患(PBFD、BFDなど)
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 上部気道疾患(ウイルス性、細菌性、真菌性など)
  • 下部気道疾患(ウイルス性、細菌性、真菌性、寄生虫性など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • 精神的(心因性)
  • その他の疾患
症例写真
「飛ばない」場合

元気がなく飛ぶことができない(このコザクラインコさんは感染症、内臓疾患など)。

 
 
「飛べない」場合

太りすぎて飛ぶことができません(このキボウシインコさんは過肥)。

 

羽がないため飛べません(ウイルス性疾患・PBFD)。

 

お腹が大きく飛ぶことができません(このセキセイインコさんは腹腔内疾患・生殖器系疾患)。

「足を引きずる(跛行)」場合に考えられる原因

小鳥さんは歩くときにオウム、インコ類はヒョコヒョコ歩き(ウォーキング)、文鳥(フィンチ類)はピョンピョン跳ねて(ホッピング)歩きます。
脚を何らかの理由で痛めると、バランスを崩した歩き方になります。また、この時に小鳥さんの立ち姿勢も変化していることが多く見られます。痛い方の脚に負重しない立ち方(人で言う‘安めの姿勢’)をします。

  • 成長障害(ヒナ)
  • 栄養障害(主にヒナ)
  • 事故、怪我、外傷など
  • 中毒(鉛、薬物など)
  • 低血糖(フラフラする)
  • 低カルシウム血症(産卵中、前、後)
  • 自咬症(SMB)
  • 骨折
  • 関節症(変形性、カルシウム沈着など)
  • 関節炎(感染性、非感染性、痛風結節など)
  • 靭帯の損傷
  • 神経疾患
  • 代謝性疾患(痛風など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • その他の疾患
症例写真

左足を上げて、歩くときに足を引きずります(このキバタンさんは神経疾患)。

 

痛風によって足を引きずってしまいます(このコザクラインコさんは関節疾患、代謝性疾患・痛風)。

 

左足の挙上・右足への負重。
骨の代謝異常(多骨性骨化過剰症)などにより起こる場合がある

 

左足を挙上、右に負重している。左大腿骨の骨折がある。
大腿骨折の場合、足を軽くつく場合がある

 

普段は隠しているが、静かに見ていると足を挙げる場合がある

左足が痛いので右足に負重している

 

挙げている理由は踵部の腫脹による

 

正常な踵部。腫れていないのが分かる

脚の異常により歩行が困難

 
 

「下にうずくまっている(立てない)」場合に考えられる原因

小鳥さんが下に降りることは命の危険に直結するので、基本的には行いません。
ただ、メスの小鳥さんで発情行動の「巣ごもり行動」や「巣作り行動」または「抱卵行動」としてみられる場合があります。

  • 発情行動(巣ごもり行動)
  • 発情行動(巣作り行動)
  • 抱卵行動
  • 産卵
  • 中毒(鉛中毒、薬物中毒など)
  • 栄養障害
  • 衰弱
  • 低カルシウム血症(産卵中、前、後)
  • 事故、怪我、外傷など
  • 自咬症(SMB)
  • 骨折
  • 関節症(変形性、カルシウム沈着など)
  • 関節炎(感染性、非感染性、痛風結節など)
  • 靭帯の損傷
  • 神経疾患(発作、斜頚、脊椎疾患など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • その他の疾患
症例写真

食器の下に入り、巣ごもっています。これは巣ごもり行動ですが、同時に背中も触っているため、交尾行動にもなっています(このセキセイインコさんは発情行動・巣ごもり行動)。

 

卵をずっとだいています。この時は便さえも1日に1~2回しかしません(このセキセイインコさんは抱卵行動)。

 

両足の疾患によって下で生活をしています(このコザクラインコさんは事故、怪我など)。

両足の麻痺によって立てません(このキバタンさんは低カルシウム血症)。

 
 

パニックによる羽の脱落

上腕骨の骨折のレントゲン

「よく水を飲む」場合に考えられる原因

一部のコンパニオンバードを除き、多くの小鳥さんは水をあまり飲みません。
水を飲んでいるのか?遊んでいるのか?の区別がつかない場合があります。その時は便とそれに付着している尿を見てください。小鳥さんのおしっこは2種類、白い尿酸と、透明な尿です。基本的に飲んだ分だけおしっこは出ます。よく水を飲むことによって透明な尿が増えます。

  • 塩土のかじりすぎ
  • 精神的(心因性、ストレス性など)
  • 栄養性
  • 発情性(メス)
  • 発情性(オス)
  • 興奮
  • 脱水
  • 内臓疾患(肝臓疾患、腎臓疾患など)
  • 代謝性疾患(糖尿病、高カルシウム血症など)
  • ソノウ疾患(感染、腫瘤、など)
  • 内分泌疾患(甲状腺疾患など)
  • 胃疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腸疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • その他の疾患
症例写真

小鳥さんの多飲を確認するのに良い方法は尿の量のチェックをすることです。便の周囲に透明な尿が多いほど水を飲んでいる証拠です(さまざまな原因による)。

「頭が傾く」場合に考えられる原因

小鳥さんの頭が傾いたままでいるのは神経症状などの疾患が発生している可能性があります。

  • 成長障害(ヒナ)
  • 栄養障害(主にヒナ)
  • 事故、外傷(頭部、頸部)
  • 外耳炎(細菌性、真菌性など)
  • 片側性失明(事故、感染、白内障など)
  • 眼球振盪(中枢性、末梢性など)
  • 頸部疾患(腫瘤など)
  • 脳疾患(発作、脳炎など)
  • 中毒(鉛、薬物など)
  • 重度感染症(細菌性、真菌性、ウイルス性など)
  • その他の疾患

頭が上をむいています(このセキセイインコさんは感染症、脳疾患など)。

ある日突然斜頚になっていることもあります(このオカメインコさんは原因不明)。

「羽繕い(はづくろい)が多い」場合に考えられる原因

小鳥さんは1日のうち、約2時間程度羽繕い(はづくろい)のために時間を費やします。 羽根の乱れや、筆毛の処理、寄生虫をとったり、汚れを取ったりなどして整えます。

  • 換羽期
  • 精神的(心因性、ストレス性、不安行動など)
  • 暇つぶし
  • 羽の腫瘤(良性、悪性、キサントーマなど)
  • 羽毛の寄生虫疾患(羽毛ダニなど)
  • 羽のキサントーマ
  • 羽咬症、毛引き症、自咬症(FDB、SMB)
  • 体表の腫瘤
  • 怪我や傷など
  • 尾脂腺疾患(炎症、腫瘤など)
  • その他の疾患
症例写真

換羽の時などは羽繕い(はづくろい)の回数が増えます(この文鳥さんは換羽期の羽繕い・正常)。

 

しかし、さまざまな理由によって羽をいじりすぎてしまうと、飛べなくなってしまいます(この文鳥さんは羽咬症)。

 

小鳥さんのメスは発情期に卵を抱く用意をするために胸部を毛引きします。これを抱卵斑と言います。しかし、この抱卵斑は地肌が見えるほどは抜きません(このセキセイインコさんは毛引き症)。

ハジラミなどの羽根につく寄生虫も羽繕い(はづくろい)の回数が増える原因となります(この写真は外部寄生虫疾患・ハジラミ)。

 

羽根をよく見ると黒い粒が羽枝の間に多数あります。これを取るために必死で羽繕いをすることもあります(このセキセイインコさんは外部寄生虫疾患・羽虫)。

 

「イライラしている」場合に考えられる原因

小鳥さんは意思の疎通ができている時、あまり気が荒い部分を見せることはあまりありません。
しかし、カゴに手を入れると攻撃してきたり、前を通っただけで飛びついてきたりする場合があります。

  • 発情期(特にメス)
  • 換羽期
  • 不規則な生活
  • 精神的(恐怖の経験)
  • 日光浴不足
  • 生活サイクルの問題(遊ぶ時間など)
  • 遺伝
  • ネグレクト
  • 環境問題によるストレス(飼育環境以外の問題)
  • 飼育環境問題(飼育環境衛生問題など)
  • 生殖器系疾患(オス、メス)
  • 羽咬症、毛引き症、自咬症(FDB、SMB)
  • その他の疾患
症例写真

小鳥さんの換羽期は非常に疲れてウトウトもしますが、触られることも非常に嫌がります(この文鳥さんは換羽期・正常)。

 

発情期は巣作りや、作った巣を守るためにイライラします。非常に強く咬まれることもあります(発情期)。

 

小鳥さんの疥癬症は非常に強い痒みです。その痒みのためにイライラします(このセキセイインコさんは外部寄生虫疾患・疥癬症)。

ワクモは夜になると小鳥さんを襲い吸血します。そのため、小鳥さんは夜あまり寝られず、痒みと痛みによる睡眠不足でイライラします(この写真は外部寄生虫疾患・ワクモ)。

 
 

「便をしぶる」場合に考えられる原因

小鳥さんは1日に約50個近く便をします。排泄をこまめにすることは、飛ぶために重要なことです。
普段からできる小鳥さんの健康診断の1つとして、便の数のチェックしてみてはいかがでしょうか?

  • 発情行動(メス)
  • 産卵中
  • 事故、怪我など
  • 皮膚疾患(自咬症、毛引き症、感染症など)
  • 胃疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 腸疾患(感染症、腫瘤、異物など)
  • 総排泄腔疾患(炎症、腫瘤など)
  • 腹腔内疾患(炎症、腫瘤、内臓疾患など)
  • 腹腔内疾患(生殖器系疾患)
  • 腹壁疾患(ヘルニア、キサントーマなど)
  • その他の疾患
症例写真

胃への感染症によって便が出づらくなったり、便をしぶったりします(この写真は胃疾患・マクロラブダス症)。

 

腸の原虫感染症によってしぶり便になることも(この写真は原虫疾患・ジアルジア症)。

 

お腹が大きくなりヘルニアなどを起こすと、腸や総排泄腔がはまり排便しづらくなりしぶり便になることもあります(このセキセイインコさんは腹腔内疾患、腹壁疾患など)。

眼瞼の腫瘤などにより、瞼が開きづらくなっている

結膜炎などの感染により目の周りが汚れ、開けづらくなっている

中央病院 TEL:048-266-6661
池袋病院 TEL:03-5960-3411