2017.04.19更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
Ⅲ鳥さんの呼吸様式
Ⅳ鳥さんの呼吸器病   ←今回はここ!


Ⅳ鳥さんの呼吸器病


アスペルギルス症
アスペルギルス症

この鳥さんは真菌であるアスペルギルスによる下部気道疾患(LRTD:Lower Respiratory Tract Disease)を起こしています。
苦しいため嘴を開き、やや顎を上げて、顔が赤くなっていることが分かります。


 
鳥さんの呼吸器の病気は非常に多いです。それは鳥さん自体が、バイ菌(特に真菌)に対して感染しやすい特性を持っていたり、複雑な呼吸システムを持っていたりする事が理由に挙げられます。特に気嚢は骨の中まで入っています。そのため、開放性の骨折をするだけでバイ菌が骨の中に通じている気嚢に入り込み気嚢炎やそれに通じている肺炎を起こします。さらに気嚢は身体の隅々まで広がっています。その事は一度入ったバイ菌も隅々まで行く事を表しています。そして、気嚢自体も細胞1~2層で出来ている非常に薄い膜様物です。そのため、血管などは粗であるため一度感染してしまうと、なかなか治りづらくなってしまいます。
鳥さんの呼吸器に感染する病気はウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫など様々で、これらが複合となって感染している事も多々あります。そのため、治療には非常に長い時間と根気を要する場合もあります。呼吸器病は早期発見が重要です。咳、くしゃみ、鼻水などの症状から、尾っぽを上下に振って呼吸するボビング、顎を挙げて気道を伸ばして呼吸するスターゲイジング、肩で息をする努力呼吸、口を開けて行う開口呼吸などの呼吸器病に付随する症状・状態を見落とさないようにする事が重要です。さらに鳥種によってはある種の真菌に非常に感染しやすく、呼吸器系が弱い鳥種もいます。温度や湿度の管理も重要になります。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2017.04.03更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う   ←今回はここ!
Ⅲ鳥さんの呼吸様式
Ⅳ鳥さんの呼吸器病

 

Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
哺乳類は吸った空気を肺の中の肺胞と言われる部位で毛細血管との間で酸素と二酸化炭素を交換します。それに対して鳥さんは空気毛細管と言われる部位と毛細血管の間で酸素と二酸化炭素を交換します。多くの鳥さんはこの時に2つの方法を使って換気を行っています。1つは交差流と言われる方法で、もう一つは対向流と言われる方法で行っています。この二つの呼吸方法は空気の流れと毛細血管との関係を表しています。この呼吸様式は換気効率をさらに良くする事に寄与しています。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2015.05.31更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている   ←今回はここ!
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
Ⅲ鳥さんの呼吸様式
Ⅳ鳥さんの呼吸器病


Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっているBLOG 
哺乳類の気管は気管輪と言われる軟骨が輪状になっているが、不完全な輪状になっていてつながっていない軟骨間は繊維や筋肉でつながっている。気管の太さは筋肉によってコントロールしていて、身体の必要な酸素量に応じた太さに変化します。この気管は外圧がかかると気管は簡単に潰れてしまう欠点もあります。鳥の場合、気管輪は一周全て完全に輪状に軟骨がつながっています。外圧がかかっても簡単に潰れる事はありません。しかし、哺乳類と違い気管の太さを変える事は出来ません。しかし、鳥の気管は身体に対しての太さが哺乳類より太く、酸素交換率もよく(約20%)、換気回数も20倍近く増やす事が出来るため気管の拡張の必要はないのかもしれません。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2015.04.26更新

緊急のお知らせ!! カラスに注意!!

     ~~今年も注意する季節がやってきました!!~~

カラスに襲われ、足を失ったマメルリハ カラスに襲われて右足が壊死してしまったオカメインコ

カラスによって襲われて怪我をした小鳥さん
 左図:右足を失ってしまったマメルリハ
 右図:右足を咬まれ壊死したオカメインコ


 最近カラスによって小鳥さんが襲われる事故が非常に多く、怪我する小鳥さんが例年になく多い状態です。日光浴をする事は重要ですが、目を放してはいけません!!
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」です。まずはカラスをよく知ってみましょう。カラスはスズメ目カラス科に分類されています。カラスと一言にいっても様々な種類がいます。日本には7種類、世界中には約40種います。しかし、日本でよく見かけるカラスは2種類、ハシブトガラスとハシボソガラスです。漢字で書くと嘴太鴉、嘴細鴉と書きます。この内飼い鳥さんを襲うカラスは多くの場合「ハシブトガラス」です。嘴(クチバシ)が太く、鳴き声はカ~と澄んだ声のカラスです。このカラスは都会に住んでいて主にゴミをあさる姿が見られるカラスです。大きさは約56cm、翼を広げると約100cm、体重は600g~800gになります。嘴が非常に大きく、嘴に続く額~頭部にかけて盛り上がっているカラスです。このハシブトガラスは非常に頭が良く、人間で例えると幼稚園児並みの能力を持っているとされています。鳥さんの脳を上から見ると中脳が発達しており、視覚に関与する能力が発達している事が分かります。大脳も非常に発達しておりこの事は学習能力、知能が高い事を表しています。そして、ハシブトガラスは肉食性が強い事が分かっています。すなわち、田舎暮らしで植物や果物を食べているハシボソガラスとは違い、都会に住み肉食性が強く知能も高い。さらに視力も人の数倍あり良く見えます。この事は人からカラスが見えなくてもカラスから人やベランダの飼い鳥は見えています。この気性が荒く、肉食性、知能が高く、目もよく見えるカラスを相手にするのです。簡単ではありません。
この時期にカラスに襲われる事故が特に増えてくる理由はカラスの繁殖に関連します。カラスの繁殖期は4月~5月に卵を産み、5月~6月に子育てをします。すなわちこの時期は子育てのためにいつもより非常に気性が荒く子育ての餌を血眼になってエサを探しています。
次に己を知りましょう。人間は自然を壊してきました。この事はカラスを捕食できるオオタカをへらし、カラスの卵を食べるアオダイショウ(ヘビ)を減らすことになりました。そして、ゴミをたくさん出します。カラスの繁殖を適度に抑える事が出来なくなりました。結果としてカラスが生物界の頂点に立ってしまいました。数が増え害鳥扱いする事態になっています。では防御対策はどのようにすれば良いのでしょうか?小鳥さんにとって日光浴は必要です。それも直射日光が必要です。カゴごと外に出す必要があります。しかし、グレーのコンクリートの建物に色鮮やかな小鳥さんは目立ちます。防御方法は1つです。一緒に飼い主さんが付いている事です。日光浴はわずか20~30分の事です。目を離さずに側についていてあげてください。それが唯一の防御方法です。

最後に写真を提供していただいた飼い主さんに心よりお礼を申し上げます。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2015.04.09更新

こんにちは小鳥のセンター病院です。
こんかいのBLOGは「小鳥さんが逃げてしまったら、、、」という悲しいお話です。しかし、年間で何十件も起こるのが事実です。今回は「④インターネットの活用」です。

④インターネットの活用。
インターネットは小鳥さんを捜すうえで非常に重要な手段の1つになります。インターネット上の迷子の掲示板やSNS(Twitter、Facebook、mixiなど)を使って探してみましょう。しかし、信頼できるサイトであるかの見極めも重要になります。この点は注意が必要です。

そして最後に「諦めないこと」です。過去に小鳥さんが逃げてしまってから半年後に飼い主さんに戻った例もあります。この時は10数キロ離れ、線路もまたいだ場所で3か月前に保護されていました。逃げ出した初め3カ月の小鳥さんの行動は不明です。
根気よく諦めないで可能性をあきらめず探すことが何よりも重要になります。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2015.03.22更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある   ←今回はここ!
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
Ⅲ鳥さんの呼吸様式
Ⅳ鳥さんの呼吸器病




 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
鳥さんは哺乳類のように声帯と言われる発声器官は持っていません。哺乳類では声帯にある2枚のヒダが呼気時に振動して音を発生させています。声帯は喉頭(気管の入り口)と言われる、食道と気管が分かれる部位に存在します。鳥さんの場合は音を発生する器官を「鳴管」と言います。鳴管は喉頭には存在せず、気管の分岐する位置にあります。すなわち人の声帯の位置よりももっと体内に入った位置に存在しています。鳴管はその位置によって大きく3分類され、気管にある場合を気管鳴管、気管支にある場合を気管支鳴管、両方にまたがる場合を気管―気管支鳴管となっている。この鳴管は鳥の種類によって異なり、よくしゃべるオウム類やインコ類などは気管―気管支鳴管と言われる種類の鳴管を持ちます。そして様々な音域を出すためには気嚢の1つである鎖骨間気嚢と発達した筋肉が特徴的です。鎖骨間気嚢が鳴管部に2か所あるため、2種類の音域を同時に発鳴でき、さらに発達した筋肉は微妙に調節をして様々な音が発鳴できます。その反対に気管鳴管を持つコウノトリなどの鳥はあまり鳴きません。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2015.02.22更新

こんにちは小鳥のセンター病院です。
こんかいのBLOGは「小鳥さんが逃げてしまったら、、、」という悲しいお話です。しかし、年間で何十件も起こるのが事実です。今回は「③ポスターを作り掲示をする」です。

③ポスターを作り掲示する
 これを行うためには普段からの小鳥さんの写真と観察を必要とします。ポスターは写真があった方が目を引き、見る人もわかりやすく判別しやすくなります。また、外観の特徴なども書いておくと写真に写っていない部分などのことも分かり良いでしょう。「○○をしゃべります、○○の行動をします」も書いても良いのですが、逃げてきた小鳥さんは初めて外に出たので非常に興奮して疲れています。そのため、話や行動はなかなかしてくれないことも多いので、そればかり大きく書いていると見落とされる可能性があるので注意が必要です。
ポスターは届け出をした役所だけでなくマンションの掲示板や近隣の各家庭、各動物病院などに張るまたは配布する許可をもらって掲示してください。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2015.02.08更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る  ←今回はここ!
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
Ⅲ鳥さんの呼吸様式
Ⅳ鳥さんの呼吸器病



Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 鳥さんの骨はスカスカで中身が詰まっていません。これは骨を軽くすることによって飛ぶことに支障をきたすことが無いようにしているためです。鳥さんの骨すべての重さより(約5%)、羽の総重量の方が重い(約10%)ぐらいです。しかし、強度はしっかりと保たれています。それは鳥の骨はトラス構造になっているためです。それによって軽くて丈夫な骨を実現しています。その軽い構造を持つ骨の一部には空気が入ります。「含気骨」と言われる骨です。空気の入る骨は種差、年齢などによって異なりますが、頭蓋骨・上顎・下顎・椎骨・胸椎・胸骨・腰仙椎・腸骨・肋骨・烏口骨・上腕骨などに空気が入ります。これらの含気骨の多くは肺や気嚢とつながっていることが多いです。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2015.01.24更新

小鳥さんが逃げてしまったら、、、 ②警察や保健所に届け出をだす
こんにちは小鳥のセンター病院です。
こんかいのBLOGは「小鳥さんが逃げてしまったら、、、」という悲しいお話です。しかし、年間で何十件も起こるのが事実です。今回は「②警察や保健所に届け出をだす」です。


②警察や保健所に届け出をする
 セキセイインコさんぐらいの小鳥さんはすごい遠く飛んで行くことは少ないのですが、強風に乗ってしまうと数キロ単位で飛んでしまう(飛ばされる?)こともあります。また、大型鳥で羽切りをしていない鳥さんでは飛翔力が非常に強いので数キロ単位で飛ぶことができます。こうなると探すことはかなり困難になります。この場合は近場を探すのと同時に保健所・警察署に届け出をすることが重要です。そして、数キロ圏内に入っている管轄全ての保健所・警察署に届けてください。都府県、市、町などは全てバラバラに情報を持っています。さらに保健所の管轄は市の区域とは別になります(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/index.html 保健所管轄区域案内 厚生労働省)。ここにも注意が必要です。そして、これら全ての役所は情報の共有はしていません。大変ですが、すべてに届け出をする必要があります。


投稿者: 小鳥のセンター病院

2014.12.28更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある   ←今回はここ!
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
Ⅲ鳥さんの呼吸様式
Ⅳ鳥さんの呼吸器病


Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 人と鳥さんの呼吸器での最大の違いは「気嚢」といわれる空気を貯めるシステムを持っていることです。人は肺が膨らむことによって空気が入り、その入ってきた空気でガス交換を行います。しかし、先述の通り鳥さんは肺が膨らまない分、気嚢に空気を入れて、肺へ押し出します。すなわち気嚢は単純な「空気を入れるだけの袋」として機能しています。その気嚢は肺についていますが、鳥の種類によって気嚢の数は様々です。多くの鳥さんは9つの気嚢を持っています。気嚢の構造は非常に薄く細胞で1から2層程度の厚みしかありません。そのため実際の気嚢の膜は透明なフィルムのように見えます。気嚢は血管などの発達もあまり見られません。9つある気嚢に空気を入れて肺と空気をやり取りしますが、気嚢のシステムは非常に複雑になっています。この9つある気嚢は大きく分けて前と後ろの気嚢群に分けられます。一回目の吸った空気は一部肺を通りながら後ろの気嚢群に入ります。後ろの気嚢群に入った空気は呼気時に肺に送られ換気します。さらに、二回目の吸気で換気した肺の空気は前の気嚢群へ移動します。さらに二回目の呼気で前の気嚢群にある空気は気管を通り外に出されます。吸われた空気の一塊は2回の呼吸を経て外に出ます。この複雑な換気システムは効率が悪いようですが、実は哺乳類の換気効率より20%も効率がよい事がわかっています。さらに、換気の効率のよさだけでなく、気嚢は飛ぶことによって発生する熱を冷ます冷却装置としての役割や、臓器を保護するクッションとしての役割や、身体の浮揚としての役割を果たします。水鳥では保温する役割や、顔にも空気が入るため、水にもぐる際の衝撃力を小さくすることに役立ちます。

投稿者: 小鳥のセンター病院

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