2014.12.28更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある   ←今回はここ!
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
Ⅲ鳥さんの呼吸様式
Ⅳ鳥さんの呼吸器病


Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 人と鳥さんの呼吸器での最大の違いは「気嚢」といわれる空気を貯めるシステムを持っていることです。人は肺が膨らむことによって空気が入り、その入ってきた空気でガス交換を行います。しかし、先述の通り鳥さんは肺が膨らまない分、気嚢に空気を入れて、肺へ押し出します。すなわち気嚢は単純な「空気を入れるだけの袋」として機能しています。その気嚢は肺についていますが、鳥の種類によって気嚢の数は様々です。多くの鳥さんは9つの気嚢を持っています。気嚢の構造は非常に薄く細胞で1から2層程度の厚みしかありません。そのため実際の気嚢の膜は透明なフィルムのように見えます。気嚢は血管などの発達もあまり見られません。9つある気嚢に空気を入れて肺と空気をやり取りしますが、気嚢のシステムは非常に複雑になっています。この9つある気嚢は大きく分けて前と後ろの気嚢群に分けられます。一回目の吸った空気は一部肺を通りながら後ろの気嚢群に入ります。後ろの気嚢群に入った空気は呼気時に肺に送られ換気します。さらに、二回目の吸気で換気した肺の空気は前の気嚢群へ移動します。さらに二回目の呼気で前の気嚢群にある空気は気管を通り外に出されます。吸われた空気の一塊は2回の呼吸を経て外に出ます。この複雑な換気システムは効率が悪いようですが、実は哺乳類の換気効率より20%も効率がよい事がわかっています。さらに、換気の効率のよさだけでなく、気嚢は飛ぶことによって発生する熱を冷ます冷却装置としての役割や、臓器を保護するクッションとしての役割や、身体の浮揚としての役割を果たします。水鳥では保温する役割や、顔にも空気が入るため、水にもぐる際の衝撃力を小さくすることに役立ちます。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2014.12.13更新

こんにちは小鳥のセンター病院です。
こんかいのBLOGは「小鳥さんが逃げてしまったら、、、」という悲しいお話です。しかし、年間で何十件も起こるのが事実です。今回は「①近所を探す」です。

①近所を探す
 まずは近所を探しましょう。家の周囲、公園などを探します。探す時に名前を呼ぶ、大好きな口笛を吹くなどをすることも重要です。また、カラスが集まっているのに気づいて近づいてみたら真ん中に飼い鳥さんがいて保護されたこともあります。小鳥さん(コンパニオンバード)の声がする方に行くのも一つです。家のベランダにいて保護された場合、その家に飼い鳥さんがいることもしばしばあります。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2014.12.06更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い  ←今回はここ!
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
Ⅲ鳥さんの呼吸様式
Ⅳ鳥さんの呼吸器病


Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 人は横隔膜を下げ、肋骨を広げることによって胸腔内(胸の中)が陰圧になり肺が膨らみ空気が入ります。横隔膜は肺を膨らますだけではなく胸部と腹部を隔てて、腹腔(お腹の中)内の臓器が胸腔に入るのを防いでいます。鳥さんはこの横隔膜がありません。そのため、胸腔(胸の中)と腹腔(お腹の中)が単一の空間として存在します。しかし、鳥さんの胃や腸や腎臓などの臓器は心臓の方に移動したりはしません。それは各臓器を固定している靭帯が非常に発達していたり、骨によって固定されていたりするためです。さらに気嚢と言われる空気の袋が各臓器のクッションとして位置を固定して守っているためです。

投稿者: 小鳥のセンター病院

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