2011.12.25更新

正常削痩過肥









今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの「太り具合」についてです。鳥さんの栄養状態の把握は非常にわかりづらいです。どのように把握するのでしょうか?



上記の写真は「削痩」、「過肥」、「正常」を表しています。どれが削痩?過肥?正常?わかりますか?



 答えは左から正常、重度に痩せている(重度削痩)、右は太り過ぎ(過肥)の状態を表しています。上写真は鳥さんの背中を下に、お腹を上にして竜骨を中心として左右の胸筋(浅胸筋・深胸筋)の量あるいは脂肪の量を表しています。正常な体重の場合、竜骨を頂点として、山なりになっているのが分かります。しかし、削痩している鳥さんは、竜骨が尖っています。筋肉量が落ちているのです。これが削痩です。この状態で竜骨・胸部あたりを触ると線状に竜骨が触れて痩せているのが確認できます。この状態になるためには理由があります。それは感染症であったり、腫瘍であったり、肝臓病や腎臓病などの内科的疾患であったり様々です。
 太っている鳥さんは竜骨が頂点になっておらず周囲の筋肉と脂肪が盛り上がっているのが分かります。この状態になると飛ぶことが難しくなり、羽ばたいてはいますが「ボ、ボ、ボ、、」と音がしながらグライダーのように下に降りて行くのが精一杯になります。指に乗った感覚も重たくなったかな?と思わせます。これで竜骨・胸部あたりを触ると線状に触れる骨である竜骨を確認できなくなります。そこは凹んでおり、周りの筋肉と脂肪が邪魔していることがわかります。これの原因は食事・環境問題などになります。食事を大量に上げている、求愛してくれる相手がいるなどが上げられます。
 このように痩せている・削痩、太っている・過肥は触ることによって判断することができます。触る事が難しい場合には健康診断を定期的に受けてみてください。

 

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.12.11更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの発情についてです。男の子発情はどのような問題を起こすのでしょうか?


発情期の雄の鳥さんの問題点(3-1)
 

 雄の鳥さんが季節性を持ち正常な範囲で繁殖期と非繁殖期を繰り返す場合は問題になることは少ないのですが、持続的に発情する環境の場合は問題を起こす可能性が十分にあります。それは精巣の問題です。
 まず、鳥さんの精巣はどこにあるのでしょうか?哺乳類の様に外に出てはいません。飛ぶ上で邪魔になるので身体の中にしまうことを選びました。この事が持続的に発情することで問題を起こす事になります。
雄 正常ロウ膜鳥さんの雄の精巣は発情している時と発情していない時とで大きさが何十倍から何百倍近く変わる(体積比で数100%)との報告があります。さらに精子を作るために活発に細胞分裂を繰り返しています。このようにサイズが大きく変わり、活発に分裂する臓器は他にありません。
ロウ膜の変色この精巣に持続的な発情はどのような作用を及ぼすのでしょうか?持続的な発情をすることにより、精子の細胞分裂がずっと続くことになります。さらに発情を維持するホルモンが精巣に降り注ぐので、精巣が大きいまま維持され続けます。さらに体内にある大きい精巣がなかなか冷えにくくなり常に暖かい状態が維持されます。このような条件が重なり、このような状態が続くことにより精巣が腫瘍化(セルトリ細胞腫、間細胞腫、精上皮腫など)してしまうことがあります。精巣が腫瘍化すると、様々な問題が起こってきます。精巣腫瘍の種類(セルトリ細胞腫)によってはろう膜の変色や行動が変化してしまうことがあります。行動は下に降りてじっとしていたり、紙をちぎってたり、ひどい場合は発情ポーズのような行動まで見られる場合があります。すなわち雌の鳥さんの様(雌性化)になってしまうこともあります。
 

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.12.04更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは「鳥さんの食事」についてです



 気温が下がっているこの時期を元気に過ごすためには外からの保温に加えて寒さに強い身体を作ることが重要です。
食事の好き嫌いはないですか?鳥さんの主食となるシードは種類によって含まれる栄養素が異なります。好きだからといって単一の種類だけ与えると栄養が偏ってしまうので気をつけましょう。餌箱いっぱいに食事を入れてしまうと、上から好きな物ばかり選んで食べてしまいます。1日に食べるシードの量は大体セキセイインコさんで5g前後、量の目安として5g前後、量の目安として5gはペットボトルのフタ、すりきり1杯程度になります。朝入れた5gのシードが夕方足りなくなっているようであれば、ほんの少しだけ足してあげてください。食餌量は多すぎず、少なすぎず腹八分目になる量が最適です。もちろん副食の青菜類(小松菜やチンゲン菜などの緑の濃い物)やボレー粉も毎日欠かさないようにしましょう。
 バランスのとれた食餌と運動、規則正しい生活をすることで、寒い時期でも病気を寄せ付けない丈夫な体を作ることが出来ます。

投稿者: 小鳥のセンター病院

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