2017.05.08更新

鳥さんの呼吸
Ⅰ呼吸とは?
Ⅱ鳥さんの呼吸器の特徴
 Ⅱ-ⅰ肺が固定されている
 Ⅱ-ⅱ横隔膜が無い
 Ⅱ-ⅲ気嚢がある
 Ⅱ-ⅳ骨に空気が入る
 Ⅱ-ⅴ気管に鳴管がある
 Ⅱ-ⅵ気管輪が完全に輪状になっている
 Ⅱ-ⅶ空気毛細管でガス交換を行う
Ⅲ鳥さんの呼吸様式   ←今回はここ!
Ⅳ鳥さんの呼吸器病


Ⅲ鳥さんの呼吸様式
鳥さんは大きく分けて2つの呼吸様式によって換気効率を上げています。1つは空気の流れです。一回目に吸った空気の塊は気管を通って気嚢に入ります。この時入る気嚢は後部気嚢群と言われます。この後部気嚢群に入った空気は一回目の呼気で肺に入ります。ここで主な酸素と二酸化炭素の交換が行われます。そして二回目の吸気で、肺の空気は気嚢に移動します。この時入る気嚢は前部気嚢群と言われる気嚢に入ります。そして二回目の呼気で外界に放出されます。この時の特徴は換気する空気が混ざる事がありません。一方通行の空気の流れをしているからです。これは肺に常に多くの酸素の混ざった空気が通る事を意味しており、換気率の良さを表しています。2つ目は交差流や対向流と言われる呼吸様式です。これは全ての鳥類が両方の呼吸様式を持つわけではありませんが、多くの鳥さんが持つ呼吸様式です。血管の流れと空気の流れが逆を向いている対向流、空気毛細管部分での空気の流れと血流の流れが直行をしている交差流があります。この対向流と交差流は酸素の交換率を挙げる事を表しています。このように鳥さんは様々な方法で換気効率を良くしています。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2017.05.08更新

緊急のお知らせ!! カラスに注意!!

     ~~今年も注意する季節がやってきました!!~~

カラスに襲われ、足を失ったマメルリハ カラスに襲われて右足が壊死してしまったオカメインコ

カラスによって襲われて怪我をした小鳥さん
 左図:右足を失ってしまったマメルリハ
 右図:右足を咬まれ壊死したオカメインコ


 最近カラスによって小鳥さんが襲われる事故が非常に多く、怪我する小鳥さんが例年になく多い状態です。日光浴をする事は重要ですが、目を放してはいけません!!
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」です。まずはカラスをよく知ってみましょう。カラスはスズメ目カラス科に分類されています。カラスと一言にいっても様々な種類がいます。日本には7種類、世界中には約40種います。しかし、日本でよく見かけるカラスは2種類、ハシブトガラスとハシボソガラスです。漢字で書くと嘴太鴉、嘴細鴉と書きます。この内飼い鳥さんを襲うカラスは多くの場合「ハシブトガラス」です。嘴(クチバシ)が太く、鳴き声はカ~と澄んだ声のカラスです。このカラスは都会に住んでいて主にゴミをあさる姿が見られるカラスです。大きさは約56cm、翼を広げると約100cm、体重は600g~800gになります。嘴が非常に大きく、嘴に続く額~頭部にかけて盛り上がっているカラスです。このハシブトガラスは非常に頭が良く、人間で例えると幼稚園児並みの能力を持っているとされています。鳥さんの脳を上から見ると中脳が発達しており、視覚に関与する能力が発達している事が分かります。大脳も非常に発達しておりこの事は学習能力、知能が高い事を表しています。そして、ハシブトガラスは肉食性が強い事が分かっています。すなわち、田舎暮らしで植物や果物を食べているハシボソガラスとは違い、都会に住み肉食性が強く知能も高い。さらに視力も人の数倍あり良く見えます。この事は人からカラスが見えなくてもカラスから人やベランダの飼い鳥は見えています。この気性が荒く、肉食性、知能が高く、目もよく見えるカラスを相手にするのです。簡単ではありません。
この時期にカラスに襲われる事故が特に増えてくる理由はカラスの繁殖に関連します。カラスの繁殖期は4月~5月に卵を産み、5月~6月に子育てをします。すなわちこの時期は子育てのためにいつもより非常に気性が荒く子育ての餌を血眼になってエサを探しています。
次に己を知りましょう。人間は自然を壊してきました。この事はカラスを捕食できるオオタカをへらし、カラスの卵を食べるアオダイショウ(ヘビ)を減らすことになりました。そして、ゴミをたくさん出します。カラスの繁殖を適度に抑える事が出来なくなりました。結果としてカラスが生物界の頂点に立ってしまいました。数が増え害鳥扱いする事態になっています。では防御対策はどのようにすれば良いのでしょうか?小鳥さんにとって日光浴は必要です。それも直射日光が必要です。カゴごと外に出す必要があります。しかし、グレーのコンクリートの建物に色鮮やかな小鳥さんは目立ちます。防御方法は1つです。一緒に飼い主さんが付いている事です。日光浴はわずか20~30分の事です。目を離さずに側についていてあげてください。それが唯一の防御方法です。

最後に写真を提供していただいた飼い主さんに心よりお礼を申し上げます。

投稿者: 小鳥のセンター病院

中央病院 TEL:048-266-6661
池袋病院 TEL:03-5960-3411