今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんのメガバクテリア・AGY・マクロラブダス症についてです。
メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の感染の成立はどのようにして起こるのでしょうか?
メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)は親から子へうつるとされています。メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)を持つ親からの吐き戻しや、メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)を含む便との接触によりうつります。セキセイインコの場合、かなりの高確率でこの病気を持っています。健康診断をしてメガバクテリア(AGY・マクロラブダス)を持っていない鳥さんの方が少ない感じがします。
そしてこの病気の難しい点は、検査を一回受けただけではメガバクテリアを発見できない場合があります。それはメガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の感染部位の特異性にあります。メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)は「胃」に病巣を作るのですが、胃のどこに病巣を作るのでしょうか?メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の感染部位の説明の前に、鳥さんの解剖を少し勉強してみましょう。鳥さんは胃が2つあり「腺胃(前胃)」と「筋胃(後胃)」です。腺胃は胃酸がでる人の胃に近いものです。そして、筋胃は胃液のかかった食物を物理的にこなすための胃です。鳥さんには歯がないので、筋胃で咀嚼(ソシャク)していると考えると分かりやすいかもしれません。筋胃をもっと分かりやすく言うと「砂肝(スナギモ)」のことです。鳥さんのメガバクテイリア(AGY・マクロラブダス)はこの腺胃と筋胃の間(中間帯)を中心に病巣を作っています。そして、徐々に胃炎症状を進行させていきます。胃での病状具合によっては病原体が便やソノウに出てこない事もあります。多くは3歳以下で見られますが、5歳や6歳になって発症または偶然発見される鳥さんもいます。一般的にこの病原体の検出はソノウ検査や検便など顕微鏡検査でしか見つけることが出来ません。直接胃を覗く方法もありますが、侵襲的なので簡単に選択できるものではないからです。
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