2011.12.11更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの発情についてです。男の子発情はどのような問題を起こすのでしょうか?


発情期の雄の鳥さんの問題点(3-1)
 

 雄の鳥さんが季節性を持ち正常な範囲で繁殖期と非繁殖期を繰り返す場合は問題になることは少ないのですが、持続的に発情する環境の場合は問題を起こす可能性が十分にあります。それは精巣の問題です。
 まず、鳥さんの精巣はどこにあるのでしょうか?哺乳類の様に外に出てはいません。飛ぶ上で邪魔になるので身体の中にしまうことを選びました。この事が持続的に発情することで問題を起こす事になります。
雄 正常ロウ膜鳥さんの雄の精巣は発情している時と発情していない時とで大きさが何十倍から何百倍近く変わる(体積比で数100%)との報告があります。さらに精子を作るために活発に細胞分裂を繰り返しています。このようにサイズが大きく変わり、活発に分裂する臓器は他にありません。
ロウ膜の変色この精巣に持続的な発情はどのような作用を及ぼすのでしょうか?持続的な発情をすることにより、精子の細胞分裂がずっと続くことになります。さらに発情を維持するホルモンが精巣に降り注ぐので、精巣が大きいまま維持され続けます。さらに体内にある大きい精巣がなかなか冷えにくくなり常に暖かい状態が維持されます。このような条件が重なり、このような状態が続くことにより精巣が腫瘍化(セルトリ細胞腫、間細胞腫、精上皮腫など)してしまうことがあります。精巣が腫瘍化すると、様々な問題が起こってきます。精巣腫瘍の種類(セルトリ細胞腫)によってはろう膜の変色や行動が変化してしまうことがあります。行動は下に降りてじっとしていたり、紙をちぎってたり、ひどい場合は発情ポーズのような行動まで見られる場合があります。すなわち雌の鳥さんの様(雌性化)になってしまうこともあります。
 

投稿者: 小鳥のセンター病院

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