2012.04.22更新

発情期の雌の鳥さんの問題点(4-5)

様々な鳥さんの卵たち!鳥さんは卵を産むために、「輸卵管」と言われる人間で言うと「子宮」にあたる部分で卵を形成します。卵を形成する作業の一つ、卵の外側の「卵殻(卵の殻)」を作ることも重要な作業です。その「卵殻」を形成するためのカルシウムは発情期の発情ホルモン(エストロゲン)が関与します。セキセイインコの場合、卵は1つ24時間~48時間程度でできます。すなわち卵の殻は12時間~24時間でできます。このペースで3~5個卵を産みます。そのため卵を作るたびに血液からカルシウムを取ることはできません。血液からカルシウムを取り過ぎると、低カルシウム血症(テタニー症状)になり命を落とす事もあるからです。そのため、発情が始まるとカルシウムを体内に蓄積をします。体内で空洞(スペースがあり)、そしてカルシウムを蓄積できる場所は骨の中です。鳥さんの骨の中は空洞になっています。そのため、軽く丈夫で空を飛ぶことが出来るのです。その骨の中(骨髄)にカルシウムの蓄積します。いわゆる「骨髄骨」「髄様骨」などと言われるものです。卵が輸卵管の中を進んでくると「殻」を作る部位(輸卵管子宮部)に到着します。ここで、骨の中に蓄積されたカルシウムが殻を作るために動員され卵殻が作られるのです。そして産卵が起きます。産卵のための最後の通過部位は「膣部」と言われる部位です。この膣部を通り過ぎるのはわずか数秒で卵は通り産卵されます。
 卵詰まり過剰に産卵することで問題は多く起きます(後述)が、初産も問題が起きやすいです。それは「卵詰まり」です。詰まることはいつでも起こりえますが、初産の時も起こりやすい問題に挙げられます。産んだ卵を並べると分かるのですが、初めの卵は明らかに大きいことが分かると思います。たまに産む一個目の卵も同様です。注意が必要です。
 

投稿者: 小鳥のセンター病院

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