今日は小鳥のセンター病院です。今回のBLOGは鳥さんの発情シリーズです。発情期のメスの発情の問題点についてです。カルシウムに関係する病気です。
発情期の雌の鳥さんの問題点(4-6)
このように発情と産卵がうまく進行しバランスよくカルシウムの蓄積と消費がおこれば問題は少ないのですが、どちらかが多くなると病気になります。
発情>産卵(発情回数が産卵回数を上回る場合)
発情回数が多く卵をあまり産まないでいると、卵になるはずのカルシウムが骨の中に残るので骨の中にカルシウムが沈着、蓄積する「多骨性過骨症、多骨性骨化過剰症・Polyostotic Hyperostosis(PH)」になります。
これは骨が重くなるだけではなく、空洞な骨のようにしなやかさが無くなり、硬くなるので折れる(骨折)などの事故が起こりやすくなります。また、骨に異常をきたすので変形性関節症(Degenerative joint disease・DJD)などの骨と関節の異常を起こし、脚を引きずる、挙げる、などの「跛行」の症状が出たり、飛べない、羽の位置が変わるなどの症状が出ることがあります。発情ばかりしていると、骨へのカルシウムの沈着も進行すると全ての骨の骨髄が消失(カルシウムの沈着)していきます。骨髄の消失が上腕骨の場合、本来空気が入る場所なので(上腕気嚢)、空気が入ることが出来なくなります。他の骨の骨髄がカルシウムに置き換わる場合、赤血球などを作る場所がなくなるので貧血などの症状になることもあります。
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