2014.01.18更新

こんにちは、小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGはちょっと変な題名ですよね?鳥が卵を産むのは当たり前です。しかし、なぜ卵を産むことを選択して進化したのでしょうか?


(子孫を残す方法)
全ての生物は命をつなぐために生きています。そのため子孫を残すために生きていると言っても過言ではないでしょう。様々な生物がいるように子孫を残す方法も様々です。高等生物では大きく分けて3つの方法で子孫を残します。
①卵生・・・・卵生は卵を産卵し、卵の中で胚が大きくなりヒナとなり孵化します。鳥類、多くの爬虫類、昆虫類、魚類、ごく一部の哺乳類(単孔類のカモノハシなど)などが含まれます。
②卵胎生・・卵胎生は卵生と胎生の中間の繁殖方法をとり、卵の中で胚が育つのは卵性と変わりはありませんが、卵は外界に出ることはなく母親の体内に残り、子は母親の体内で孵化して外界へ出ます。サメの一部や魚類の一部などの限られた生き物で見られます。
③胎生・・・・胎生は母親の体内で胎盤を介して胚を育て、子供を出産します。ほとんどの哺乳類が含まれます。
の3つです。この①、②、③は進化の順番も表しています。鳥さんはこの中で①卵生を選びました。何故でしょうか?
(卵生のメリット)
卵生の一番のメリットは他の2方法(卵胎生、胎生)に比べて最短で子孫(卵)を外界に出すことが出来ます。すなわち親は子供がお腹の中にいないので生活に制限なく行動が出来ます。普段の生活行動の中でも危機を回避できる確率は上がります。巣にいても同様に助かる可能性があります。
(卵生のデメリット)
卵生のデメリットは卵の安全性が挙げられます。自分で動く事が出来ない卵は敵に襲われた場合、そのまま食べられるしかありません。さらに外界の状態に影響を受けます。卵胎生や胎生では寒冷地で合っても問題なく繁殖する事が出来ます。しかし、卵生ではできません。卵の発育が止まるからです。そのため、卵生をする多くの種類は産卵をする場所、季節などが限定されます。
デメリットが多い方法を鳥類は選択をしています。何故でしょうか?
(卵生と飛ぶこと)
上記の通り、鳥類はデメリットが多く、さらに最も進化していない繁殖方法を選びました。おそらくそれは「飛ぶ」と言う事に特化したためでしょう。飛ぶと言うことは重さとの戦いでもあります。少しでも軽い時間を多くするための選択と考えられます。しかし、鳥類は卵生を行う生物の中で、最も進化した方法をとっています。それは卵生=大量に産卵と考えられていますが、鳥類は数百個、数千個、数億個と産むことはありません。数個から多くても十数個です。産卵数は少ないのですが、産みっぱなしではなく抱卵、育雛を行います。これによって環境の要因から少しでも卵やヒナを守り、生存確率を上げています。さらに偽傷行動やモビング行動と言われる行動をとり、卵やヒナを外敵から守ります。この点からみても一般的な卵生とは異なり進化した卵生である事が分かります。鳥類は卵生と言われるデメリットの多い繁殖方法をとっていますが、「飛ぶ」と言う事、さらに少数の産卵でも抱卵、育雛を行い効率的にヒナを育て、偽傷行動やモビング行動によって卵、ヒナを守り様々なデメリットを補っています。飛ぶ事を生活の基本としている鳥にとって卵生は最も効率的な方法であると言えます。

投稿者: 小鳥のセンター病院

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