「鳥さんのお尻から何か出ている?」と言う主訴で来院される方がいらっしゃいます。鳥さんのお尻から出る物には何があるのでしょうか?そもそも鳥さんのお尻はどのような構造になっているのでしょうか?
鳥さんのお尻に出口は1つしかありません。全てが出る孔なので総排泄孔と言います。雄の鳥さんであれば、尿、便、陰茎または精子(種による)が出ます。雌の鳥さんであれば尿、便、卵など全てがこの孔から出ます。この総排泄孔は総排泄腔の出口にあたります。総排泄腔は尿洞と糞洞、肛門洞に分かれています。尿洞に尿管や精管、輸卵管の膣部がつながっています。
雄の鳥さんの場合、総排泄孔から出る事があるのは総排泄腔脱で、多くの場合、慢性の下痢や総排泄腔内の腫瘤によって脱出する事が多い。
これら全ての症状は感染と乾燥、総排泄孔の拘縮(締め付け)による血流の悪化が起こり強い浮腫が起こります。この状態は鳥さんにとって非常に刺激のある脱出物になります。そのため、鳥さんはこの刺激のある脱出物をいじります。これによって感染と出血がひどくなり、ますます腫れあがります。このまま放置すると更なる感染と出血を起こし、壊死などを伴った状態になり、生命にかかわる状態になってしまいます。そしてオカメインコで発症する事が多い卵管重積などはすぐに緊急手術を必要とします。どの症状にしてもすぐに処置を必要とします。お尻から何か出ている?と思ったらすぐに病院へおいでください。