2011.10.03更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは「小鳥さんの換羽」についてです。鳥さんの羽が時々すごい量抜けることがあります。これを換羽と言います。では、くわしく見てみましょう!


「換羽って?」
換羽暑かった夏が終わり、朝晩、急激に冷え込むようになりました。こういった温度変化や光周期の変化を感じ取り換羽が起きる鳥さんもいます。換羽とは古い羽が抜け落ちるのと同時に新しい羽が生えてくると言うことで、正常な羽の抜け変わりを示します。換羽期には新しい羽の成長を促すために鳥さんは通常よりも食事量が増え、より栄養価の高い食事を必要とします。この時期に十分な栄養が得られないと羽の抜け変わりで体力を消耗して、鳥さんは免疫力が下がって病気になりやすくなります。また、体を痒がって羽づくろいが異常に増えたり、イライラと怒りっぽくなったりすることもあります。様々なストレスのかかる換羽期には十分な栄養と、鳥さんの生活する環境が28℃から30℃になるように、暖かくリラックスできる環境が必要不可欠です。
鳥さんがひどく疲れている様子があったり心肺な点がありましたらいつでもご相談ください。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.09.22更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの発情についてです。雄の鳥さんは何に発情するのでしょうか?


鳥さんの「環境要因(条件) 相手の存在」
 

 鳥さんの発情には「相手の存在」が必要です。まれに相手がいない状態で発情が出来る場合もありますが、ほとんどの場合、発情する相手がいます。その発情する相手は異性の鳥さん(雄の鳥さんまたは雌の鳥さん)だけとは限りません。発情するための対象は物や人の場合もあります。
人の手への発情雄の鳥さんの場合、同居のメスの鳥さんであったり、鏡であったり、人であったりします。雌の鳥さんの場合、同居の雄の鳥さんであったり、人であったり、オモチャであったりします。このように様々なものが相手になりえます。
 

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.09.13更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは小鳥さんの冷え込みについての注意です。寒さに弱い鳥さん。寒いとどのような病気になってしまうのでしょうか?



 暑かった夏がいよいよ終わりに近づき朝晩は気温が下がって涼しくなってきました。私たち人にとっては過ごしやすい時期になりますが、私たちより体温の高い鳥さんは気温が下がったことで体が冷え過ぎてしまい体調を崩してしまう事があります。
体が冷え過ぎた時、最もよく出る症状として、便がゆるく、水っぽくなることがあります。特にこの時期は日中暖かく、身体も動かしているため昼間はよい便をしているのに、夜から朝にかけて休んでいる時にはゆるい便が出ると言うことをよく聞きます。気温の変化に鳥さんがまだ十分に順応しきれていないというサインなのです。
 
くしゃみ、鼻水による顔の汚れ  鼻孔の閉塞
 グズッという鼻の音を伴う呼吸器症状が出ることがあります。呼吸器症状は食欲や元気が変わらず、便もみためは正常のままであることも多く発見が遅れることもあります。季節の変わり目には特に鳥さんの様子に気を配り、いつもと違う様子があればご相談ください。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.08.31更新

鳥さんの「環境要因(条件) 食事量」
 
 食事量もやはり発情に関係してきます。雄の鳥さんに大量に食事を与えていると、雌の鳥さんへ求愛で与える量も増えます。これにより雌の鳥さんは発情をしたり太ってしまったりします。
 
求愛物止まり木への求愛(吐きもどし)跡←赤矢印)と下に落ちた吐物(←青矢印
(画像クリックで拡大)



指への求愛給仕 雄一羽で飼育していても問題は起こります。雄の鳥さんは発情によって雌の鳥さんがいない場合、物や人の手などにも吐き戻しをします(←左画像)。ひどい時は下の敷き紙に吐き戻したシードなどが山となるほど吐きもどしをします。その他に、雄の鳥さんの発情は感染症(細菌性ソノウ炎、真菌性ソノウ炎など)や内科的疾患(精巣腫瘍など)などを引き起こします。雌の鳥さんも大量に食事をもらっていると、環境条件によってやはり発情していきます。大量に食事をもらっていると生きていくために必要なエネルギー以外の余剰エネルギーがでます。この余ったエネルギーが発情に使われ、卵を作るのに必要なエネルギーに変換されます。
 

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.08.22更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの暑さ対策です。ある程度の暑さには強い鳥さんですが、限界はあります。冷房は風邪をひく可能性があります。どのように暑さを乗り切るのがよいのでしょうか?


 「暑さ対策」
 去年同様に、今年も暑い夏になっています。
鳥さんは体温が42℃と高く、多くの種類が熱帯地方原産であるため、比較的高温の管環境下でも問題なく生活出来ます。しかし、長期間にわたって直射日光が当たり続ける場所にカゴを置いたり、完全に部屋を閉め切ってしまったりすると、鳥さんでも熱中症を起こす危険があります。
症状としては身体を細めて羽を肩の高さに、肩をいからせるように広げて、口をパクパクさせる様子が見られます。熱中症を未然に防ぐためには何より風通しのよい所にカゴを置きカゴに日光が直接当たらないようにしてください。また外出する時には網戸にしたり、扇風機を使って室内の空気を循環したりしてあげてください。エアコンを28℃~30℃の微風で設定して鳥さんに直接風が当たらないようにしてもよいでしょう。飲水容器を大きめにすると、暑い時には中に入って水浴びをして、鳥さんが自分で体温調節出来るのでよいでしょう。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.08.09更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの発情についてです。鳥さんは発情をします。発情はどのようにして起こるのでしょうか?


 

鳥さんの「環境要因(条件) 日の長さ(季節変化)」

 日の長さ(季節変化)は発情に関して最も重要な因子の一つになってきます。発情するために必要な光の時間の長さは鳥さんによって様々ですが、セキセイインコなどの温帯に生活している鳥さんは日が長くなるいわゆる「長日周期」によって発情が誘引されます。部屋の中は昼間、自然光によって明るく、夜は蛍光灯などの光源によって明るいので、明るい時間(明時間)が暗い時間(暗時間)に比べて長くなります。この光の長さに鳥さんは反応し発情します。
 鳥さんは光を目から感じています。しかし、鳥さんが光を感じる方法はこれだけではないのです。鳥さんの頭の中に直接光を感じる器官(大脳深部)があります。光は様々な色で構成されていますが、その中でも赤色の光は組織内の伝導性が高いので、光が頭蓋骨を通り直接光を感じる器官(大脳深部)に届き刺激をします。この光を感じる器官に光が届くと明るい時間としてカウントされます。そのため、鳥さんが目をつぶっていても明るい部屋であれば十分に発情できるのです。
鳥さんの発情抑制には厳密な明時間と暗時間のコントロールが必要です。
発情姿勢

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.08.02更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの水浴びでの注意事項です。


「水浴びの注意点」

 文鳥さんはいろんな小鳥さん仲間の中でも特に、水浴びが大好きな鳥さんです。暑い夏の日は、やっぱり水浴びでしょう!と、文鳥さんに水浴びをお勧めする前に、水浴びの注意点について見てみましょう。
まず、水浴びには毎日新しいきれいなお水を用意してあげましょう。冷たい水だと風邪を引いてしまうかな?と心配して、ぬるま湯を用意するのは逆効果です。鳥さんの羽には油がついていて、水浴びをしてもこの油が水をはじいてくれるので鳥さんは体温を守ることができますが、お湯で水浴びをするとこの油分がお湯に溶けてしまい、鳥さんは濡れてしまって体調を壊してしまう原因になるからです。
また、飲水投薬中の子は、薬の水を飲まなくなってしまうので水浴びはできません。換羽が長引いている子や発情中の子も、水浴びを控えてあげてください。
思い切り水を跳ね飛ばして気持ち良さそうに水浴びをする文鳥さんたちの姿は、見ているわたしたちもすがすがしい気持ちにしてくれます。
水浴びは絶対に必要!というわけではなく、何年も水浴びをしなくても健康できれいな子もいるし、逆に水浴びをさせなかったからストレスから毛引きなどのストレス行動をとる子もいるようです。飼い主さんが鳥さんのコンディションをしっかりと見極めて、水浴びの是非を判断してあげましょう。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.07.19更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの発情です。鳥さんが発情するために必要な条件とは何でしょうか?


 

鳥さんが発情するための「環境要因(条件)」
発情行動 
 多くの鳥さんは季節の移り変わりに合わせて繁殖期(発情期)を迎えます。これにより発情行動が起きますが、その行動を起こすためには様々な環境要因(条件)が発情に関与します。発情要因となるものは「日の長さ(季節の変化)」、「温度」、「湿度」、「食事量」、「相手の存在」など様々な要因(条件)が関与して起こります。
これらの要因(条件)の中で特に「日の長さ(季節の変化)」や「食事量」や「相手の存在」などは鳥さんが発情するために重要な「発情要因(条件)」になってきます。

 

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.07.11更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの嫌いなジメジメについてです。ジメジメすると、、、、。



「ジメジメ注意」

ワクモ 実物大 ワクモ 拡大

写真:左
実際の吸血後のワクモの大きさ。動いているときは赤い点が動いている用に見える。

写真:右
拡大したワクモ。
 


 温度、湿度ともに上がる梅雨の時期から夏にかけてワクモと言う外部寄生虫が発生することがあります。ワクモは昼間ケージの隅などに潜んでいて夜になると鳥さんに忍び寄り血を吸います。血を吸われた時のかゆみやワクモが体表を移動するムズムズ感によって、鳥さんが夜突然痒がり暴れて騒ぎます。
 ワクモが多数寄生した場合にはワクモの吸血によって貧血症状がでたり、痒みのストレスによって羽ヅクロイが多くなったり、生活の質が下がるだけでなく命の危険を伴う事もあります。ワクモ等のダニ類は温度や湿度が高い場所を好み増殖します。カビも同様です。ケージはいつも隅々まで清潔に保ち、止まり木や餌入れ、ケージごと時々熱湯で消毒してあげましょう。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.06.27更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの発情についてです。発情すると女の子は変化が起こります。どこが変わるのでしょうか? 


 

鳥さんの「発情」と「発情期」

 発情とは何でしょうか?鳥さんの発情とはどのようなものなのでしょうか?
発情とは「性的に成熟した動物が交尾可能な生理的状態になること。鳥さんの場合、繁殖期だけに限定され周期的に繰り返しあらわれる。いわゆるさかり。」と定義されます。

セキセイインコ オス
セキセイインコ オス
ロウ膜に光沢があり特徴的なブルー色。
セキセイインコ メス
セキセイインコ メス
ロウ膜に光沢がなく、くすんだ色になる。
ホルモンによるロウ膜の変色 メス
セキセイインコ メス
ロウ膜の変色は基本的にメスのみです。

 
 鳥さんの発情とはどのようなものか。まずは鳥さんの繁殖周期を知りましょう。鳥さんの繁殖は「繁殖期」と「非繁殖期」に分けられます。繁殖期には「発情期」と「抱卵期」および「育雛気」が、非繁殖期には「非発情期」より成り立っています。すなわち鳥さんの発情とは「発情期」の事を表します。発情期はさらに「求愛期」と「造巣期」に分かれます。これらの時期の中で一番重要となるのは繁殖期の中の発情期です。この時期を理解することが、繁殖関連疾患の予防への一歩となります。

投稿者: 小鳥のセンター病院

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