2011.06.23更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは文鳥さんの梅雨の過ごし方についてです。じめじめした季節、どのように過ごすのが良いのでしょうか?

「文鳥さんの梅雨の過ごし方」
 
 関東地方も梅雨に入り、じめじめ、しとしとする日が多くなりました。小鳥たちもさぞ不愉快な思いをして毎日過ごしているのではないでしょうか?
 ところが、こんな季節も元気に過ごしている小鳥さんもいるのです。オーストラリアの乾燥している地方で暮らしていたセキセイインコやオカメインコの仲間と違って、文鳥さんのようなアジア産の鳥の多くは、ある程度湿度が高い環境のほうが健康に過ごせるようなものです。赤道直下の国インドネシア原産の文鳥さんは水浴びや羽繕いがとても好きで、羽毛はいつも清らかに保ちます。高温多湿の地域では、身体についた汚れは腐敗しやすく、健康を害してしまう可能性があるからです。そんなきれい好きで楽しげな文鳥さんの様子は、梅雨でうんざりしている私たちを元気にしてくれますね。
 ただし、高温多湿の環境では水や食べもの腐敗が早くなりますし、カビも生えやすくなります。これからの季節は特に鳥さんのお部屋や食事の衛生管理には気をつけてあげてください。食事は1日に食べきるよりも少し多めに入れて毎日交換し、保存は冷蔵庫などに入れるようにするとよいでしょう。また、エアコンによるお部屋の乾燥も冷え過ぎに気をつけましょう。必ず湿度を見て28℃以下にならないようにしましょう。


投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.06.15更新


今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんのメガバクテリア・AGY・マクロラブダスの治療についてです。


一般的にはメガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の治療には抗真菌剤を使用します。しかし、胃炎の症状には様々あるので、その症状に合わせた治療法が必要となります。そして、ソノウ検査や検便など繰り返しメガバクテリア(AGY・マクロラブダス)が治ったのか確認をしていきます。
しかし、治った後も注意が必要です。胃にどの位メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)がいるか把握は困難なので、ソノウや便に出ないからと言って「完治した!」と言い切ることは難しいからです。そのため、治療終了後も定期的な検査を必要としています。特に羽の抜け変わり(トヤ)や産卵などのストレスのかかった時に健康診断を受けることを勧めています。ストレスなどがかかった時にメガバクテリア(AGY・マクロラブダス)を発症しやすくなるからです。
メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)は初期であれば多くの場合、完治することが出来るようになりました。この病気は何よりも、早期に検査を受けて治療をすることが重要です。そして、定期的な健診を受けることにより、より確実に治す事が可能となります。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.06.06更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんのメガバクテリア・AGY・マクロラブダス症の症状についてです。



胃に感染したメガバクテリア(AGY)はどのような症状が出るのでしょうか?
 
 メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)によって、いわゆる「胃炎」のような状態になります。胃炎の症状は無症状、軽症、重症、突然死など多彩です。メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の感染がごく軽度あるいは初期の場合、全く症状がなく一般的に飼育していてメガバクテリア(AGY・マクロラブダス)に感染していることに気付くことは難しいぐらいの状態です。



←嘔吐による頭の汚れ



しかし、メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の感染が進行すると、徐々に消化器症状を中心とした病状が出始めます。食べる割には太らない、時々気持ち悪そうにしている、えづく、吐く(上の画像をクリック!!)、便の色が緑や茶色で安定しない、時には食べた粒がそのまま出る(未消化便)など、体調や便の状態が不安定になり始めます。しかし、まだ食べていることが多いので、様子を見てしまうことがあります。

←正常便



←下痢便



←黒色便(メレナ便)


この状態のまま様子を見てしまうと、徐々に消化器症状がひどくなり全身状態が悪化し始めます。まず少しずつ食欲が落ち、それにつれて体重が落ちていきます。この時、「食べている」とよく聞くことがありますが、実は皮付きの種子を剥いているだけであったり、嘴で細かく砕いているだけで実際には食べていないことが多いのです。それと同時に元気が無くなり始めます。
未消化便(粒便) さらに進行すると下痢や粒が混じる便になるだけでなく、鮮やかな緑色の便や黒い便が出始め食欲が廃絶し(無くなり)ます。
この鮮やかな緑の便は食べてないことにより出る便、黒い便は胃などの上部消化管からの出血を表しています。
いわゆるメレナ便と言われます。この頃にはかなり削痩(痩せ)が重度に進み、止まり木に止まっていても膨らんでいたり、フラフラしていたり、下に降りてじっとしていることもあります。この状態になると二次感染も起こり、突然死
 があり得る状態になります。突然死は胃穿孔や敗血症によって起こると言われています。この状態から治す事は非常に難しくなります。

 

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.06.04更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは巣立ちヒナについてです。地面にいるとつい心配で拾い上げてしまします。猫や車など心配なことがたくさんあります。


 春らしく日に日に暖かくなってくるこの時期、「野鳥のヒナが落ちている」と言う電話相談を受けることがあります。
関東近辺でみかける野鳥はスズメ、カワラヒワ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、ツバメ、キジバト、カラスなどですが、ちょうど今の時期が巣立ちの時期にあたり、ようやく羽の生えそろったヒナが休み休み飛ぶ練習をしている時期です。「落ちている」のはまさに休んでいる状態で、近くで親が見守っているので、拾わずにその場を立ち去ってください。ヒトがそばにいると、親は近寄ることができません。
また、もし人通りの激しい所や近くにカラスや猫がいる所で休んでいる場合は、木陰に避難させるか、近くの木の枝や塀の上など少し高い所に落ちないように乗せてあげてください。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.05.29更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんのメガバクテリア・AGY・マクロラブダス症についてです。


メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の感染の成立はどのようにして起こるのでしょうか?
 メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)は親から子へうつるとされています。メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)を持つ親からの吐き戻しや、メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)を含む便との接触によりうつります。セキセイインコの場合、かなりの高確率でこの病気を持っています。健康診断をしてメガバクテリア(AGY・マクロラブダス)を持っていない鳥さんの方が少ない感じがします。
 顕微鏡
そしてこの病気の難しい点は、検査を一回受けただけではメガバクテリアを発見できない場合があります。それはメガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の感染部位の特異性にあります。メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)は「」に病巣を作るのですが、胃のどこに病巣を作るのでしょうか?メガバクテリア(AGY・マクロラブダス)の感染部位の説明の前に、鳥さんの解剖を少し勉強してみましょう。鳥さんは胃が2つあり「腺胃(前胃)」と「筋胃(後胃)」です。腺胃は胃酸がでる人の胃に近いものです。そして、筋胃は胃液のかかった食物を物理的にこなすための胃です。鳥さんには歯がないので、筋胃で咀嚼(ソシャク)していると考えると分かりやすいかもしれません。筋胃をもっと分かりやすく言うと「砂肝(スナギモ)」のことです。鳥さんのメガバクテイリア(AGY・マクロラブダス)はこの腺胃と筋胃の間(中間帯)を中心に病巣を作っています。そして、徐々に胃炎症状を進行させていきます。胃での病状具合によっては病原体が便やソノウに出てこない事もあります。多くは3歳以下で見られますが、5歳や6歳になって発症または偶然発見される鳥さんもいます。一般的にこの病原体の検出はソノウ検査や検便など顕微鏡検査でしか見つけることが出来ません。直接胃を覗く方法もありますが、侵襲的なので簡単に選択できるものではないからです。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.05.16更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんのメガバクテリア・AGY・マクロラブダス症についてです。


メガバクテリア症
AGY症
マクロラブダス症」     





 






メガバクテリアは大きく分けて2つのタイプがありますが、形態はさまざまです。

上記の「メガバクテリア症」、「AGY症」、「マクロラブダス症」、3つの名前は全て同じ名前の病気を表しています。病気について依然不明だったことが少しずつ分かり始め、病原体の名前も変わったため、病名も変化しています。
「メガバクテリア症」は多くの鳥で見られる感染症の1つです。メガバクテリアと言う名前は訳すとメガ(巨大)バクテリア(細菌)となりますが、実は細菌(注1)ではなく真菌(注2)いわゆるカビの一種です。学名は「Macrorhabdus ornithogaster」、学名に胃を意味するGasterが入っています。そしてこの学名からきた病名は「マクロラブダス症」。AGYと言う名前のAはavian「鳥類」、Gはgastric「胃の」、Yはyeast「酵母・真菌」(注3)の頭文字です。すなわち「鳥類の胃の酵母」と訳されます。この名前から来た病名は「AGY症」と呼ばれます。
 
(注1)細菌:悪さ(食中毒や風邪の原因)もすれば、
        人間のためにも働いてくれています。
                  (ヨーグルト、納豆、薬剤、酵素などの生産)
(注2)真菌:キノコ, カビ, 酵母などの仲間のこと。
(注3)酵母:パン酵母、ビール酵母などで耳にする「酵母」。
                樹液や花蜜、果実など、
                自然界のあらゆるところに生息している微生物なのです。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.05.03更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは「鳥さんとの日常の触れ合いが大切」です。鳥さんとの付き合い方についてです。


 初夏と言ってもまだまだ気温が安定しないこの時期、腫れて急激に気温が上がったり、逆に冬に戻ったかのように気温が下がって寒くなったりで、私たちと同じように鳥さんも体調を崩しやすくなります。
 鳥さんは身体が羽毛でおおわれているので、ちょっと見ただけでは痩せているのか、太っているのか分かりません。また病気を隠すように食欲があるフリ、食べているフリをすることがあります。食事の摂取量や糞便の色・形、排泄量が毎日どういった状態かをある程度把握するとともに、実際に身体を触ってみることで体が骨ばって痩せすぎていないか、逆に太り過ぎていないか、お腹だけが変に出っ張っていないか、さわり心地がおかしい所がないか、などの体の変化に気付くこともあります。
 力づくでわしづかみにして、身体に触るのではなく両手で優しく抱っこするようにして体に触れると鳥さんも怖がらず嫌がりません。声をかけて、毎日少しずつ
触れ合って鳥さんが人に身体を触れられることに慣れるようにしていきましょう。そうしていくことで、小さな異変にも早く気付き、病気の発見が早くなります。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.04.19更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは「停電」についてです。計画または突然の停電、どのようにすればよいのでしょうか?


 4月に入っても肌寒い日が続きそうです。計画停電の影響でトリさんの温度管理に頭を悩ませている飼い主さんが多いと思います。昼間はなるべく自然光の入り込む明るい所にカゴをおいてあげてください。透明のテーブルクロスなどでカゴを覆ってあげてもいくぶん保温効果はあります。夕方は完全に暗くなる前に寝かせてしまうのもいいかもしれません。パニックを起こしやすいトリさんは急に電気が消えることに過剰に反応して、怪我をしてしまうことがあります。早めに停電に備えることで怪我を防ぐことが出来ます。
夜の停電はかなり冷え込みます。フリースや羽毛布団、毛布などでカゴを覆ってあげて、停電前に付けていたペットヒーターやヒヨコ電球の温熱をなるべく逃がさないようにしてあげてください。コタツ布団をかけてあげるのもいいでしょう。プラスチックケースやキャリーケースの外側にホッカイロを貼って、一時的にトリさんをカゴから移動させてもよいです。ただし、ケースの内側にホッカイロを入れると中にいるトリさんが酸欠を起こしてしまうので絶対に止めてください。停電中はいつもと違う様子に人と同じようにトリさんも怖がっています。優しく声をかけてあげてください。




投稿者: 小鳥のセンター病院

2011.03.29更新

今日は小鳥のセンター病院です。
鳥さんのBLOGが始まります。飼い主さんにとって少しでも参考になると良いのですが、、、。


本日よりブログを開始致します。

投稿者: 小鳥のセンター病院

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