2012.12.16更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの羽シリーズ、羽毛の構造についてです。そもそも羽根はなんで出来ているのでしょうか?


羽毛の構造
<羽毛は何で出来ているのか?>
 羽根は表皮の上皮が変形したものでケラチンと言われるタンパク質(βケラチン、φケラチン、羽ケラチン)から出来ています。ケラチンは人の髪の毛なども構成していますが、同じケラチンでも人の髪の毛はαケラチンと呼ばれているタンパク質なので羽根を構成するβケラチンとは成分構成、構造が異なります。このβケラチンは強さと柔らかさを持つため、羽根としての構造、羽としての機能・役割を果たすのに役立ちます。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.12.13更新

今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんのエクリプスについてです。エクリプスって???さらにエクリプス羽とは?


カモ類の雄の羽は多くの場合、雌と違って綺麗な羽色である事が多い。しかし、この綺麗な羽で一年中いるわけではありません。この綺麗な羽は繁殖期のみに見られる羽です。カモ類の繁殖期が終わると換羽期(トヤ)が来ます。この時期に生えてくる羽は雌の羽に似ていて地味な羽になります。細かい違いはあるものの基本的に雄、雌を見分けることは難しい。この時期の雌に似た地味な羽をエクリプスまたはエクリプス羽と言います。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.11.25更新

羽根とは?
<羽根の生えている領域>
 数千枚と身体にたくさん生えている羽ですが、全身にくまなく生えているのではなく羽の生えている領域と生えていない領域があります。基本的に多くの鳥類には羽の生える領域=「羽域(ういき)、正羽域(せいういき)」と羽の生えていない領域=「裸域(らいき)、無羽域(むういき)」が存在します。裸域(無羽域)の部位は羽域の羽が覆い隠すので、外観から羽がない部位(裸域、無羽域)を見ることはできません。裸域(無羽域)は羽根が生えていませんが、この領域は熱を逃がすことに役立ったり、羽をたたんだりするスペースを作ることに役立ちます。例外的に走鳥類(平胸類)であるダチョウやペンギンは全身にくまなく羽が生えているため、裸域(無羽域)がありません。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.11.18更新

今日は小鳥のセンター病院です。今回は小鳥さんの起こりやすい事故の第2弾です。どの鳥さんでも起こり得ることです。フッとした瞬間に事故が起きます。十分に注意しましょう。

 今回は「扉に挟む」、「踏みつける、押しつぶす」、「火傷」、「逃亡」、「激突」、「他の動物との接触」、「鉛中毒」を細かく解説してみましょう。
「扉に挟む」、「踏みつける、押しつぶす」は飼い主さんの後ろをついて歩く鳥さんや、巣籠り(すごもり)行動などでもぐることが好きな鳥さんに多い事故です。特に発情しやすい雌の鳥さんに多く見られます。
「火傷」は飼い主さんが料理をしている時に放し飼いをしている鳥さんに多い事故です。
「逃亡」は小さいお子さんが不用意に窓や戸を開けたり、鳥さんが出ている事を知らないで窓や戸を開けてしまい逃亡させてしまうことが多い事故です。
「激突」は部屋の中で突然のパニックに陥り、そのまま勢いよく壁や窓に激突する事が多い事故です。
「他の動物との接触」はワンちゃんや猫ちゃんなどのペットと接触してしまい、咬まれたり引っ掻かれたりして起こることが多い事故です。
「鉛中毒」はカーテンの裾にあるウエイトやステンドグラス、釣りのおもり、ハンダなどを摂取することで起こります。鉛は加工しやすく安価な金属なので、色々な物に使われています。そして、鉛は甘くて、ちぎれやすいため、鳥は胃石として飲み込みます。そして、摂取後数日して中毒症状が出ます。

上記の通り、カゴの外に出すことは色々な事故が起こる可能性があります。鳥さんを外に出す時は、
①時間を決めて、②限られた部屋で、③飼い主さんが見ている時に出すようにして事故を避けて予防してください。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.11.04更新

今日は小鳥のセンター病院です。こんかいのBLOGは鳥さんの羽シリーズです。鳥さんの羽は不思議がいっぱいあります。

羽根とは?
<羽根の重さ・体重に対する割合>
羽根の総枚数は鳥種によって異なり、1,000枚に満たない鳥種から、20,000枚を超える鳥種までさまざまいます。その大量にある羽根の総重量は体重の約10%弱を占めている。体重の約10%に過ぎない羽根の重量ですが、実は鳥の骨格である「骨」全てよりじつは重い。鳥の骨全ての重さは体重の約5%程度あります。ちなみに鳥の体重を構成する中で最も重いのは筋肉で、さらに飛ぶために重要な筋肉である胸筋が体重の約20~40%(種によって異なる)と一番の重さを占めます。余談になりますが、人の筋肉の中で最も重い筋肉は殿筋(お尻の筋肉)です。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.10.28更新

今日は小鳥のセンター病院です。今回のBLOGは家の中で起こる小鳥さんの事故についてです。事故にはどのようなものがあるのでしょうか?まずは総論です。

 小鳥さんにとって家の中は外敵や気候の変化から身を守ってもらえる安全な場所ですが、家の中でも危険はあります。
その危険は「扉に挟む」、「踏みつける、押しつぶす」、「火傷」、「逃亡」、「激突」、「他の動物との接触」、「鉛中毒」などがあります。これらの事故は多くの場合、飼い主さんの「飼い主さんが~しながら鳥さんを外に出していた」と言う飼い方が多く見られます。「~しながら」は飼い主さん自身に問題があり、小鳥さんへの注意がおろそかになる事を表しています。普段は平気でも鳥さんは同じ行動をとるとは限りません。そのため、これらの事故が起こります。
 
これらの事故はどのような理由で起こり、どのように防ぐことが出来るのでしょうか?次回、各項目を説明して行きます。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.10.14更新

今日は小鳥のセンター病院です。今回のBLOGは鳥さんの羽シリーズ、羽の役割・機能についてです。羽、もちろん飛ぶためですが、それだけでしょうか?


羽根とは?
<羽根の役割・機能>

鳥さんの羽根

 羽毛は鳥類のみが持つ特徴で、鳥類以外は羽を持ちません。鳥の羽は皮膚に付いて生えています。羽の役割、機能は「飛ぶ」だけではなく、「個体(性別・種)識別」、「体温調節」、「求愛」、「威嚇」、「カムフラージュ」、「泳ぐ」、「虫を捕まえる」、「外敵や汚れ、雨などからの防御」など様々あります。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.09.30更新

今日は小鳥のセンター病院です。今回のBLOGは鳥さんの鼻水についてです。鳥さんも鼻水が出ます。どのような理由で出るのでしょうか?


鼻水による鼻孔閉塞
鼻腔炎によって鼻孔周囲の汚れ





嘴過長長い間の鼻炎によって嘴が長くなることもあります。





鳥さんも鼻水を垂らすことがあります。鳥さんが鼻水を出している時の特徴は鼻孔(鼻の穴)の上の羽が濡れて固まっている状態になっています。鼻炎や鼻腔炎、副鼻腔炎などに付随して見られます。症状としてはクシャミや結膜炎が現れます。くしゃみの回数が増え、くしゃみをした時に出る鼻水の色が白く濁っている時は病気の可能性が高いです。鼻水・くしゃみをそのままにしておくと、バイ菌が身体の中に気道を通じて入り込み、肺炎になってしまう事もあります。鳥さんの呼吸器は非常に良くできていますが、その反面非常にデリケートです。早めに治療する事が重要です。鼻水やくしゃみを見かけたら早めに病院へおいで下さい。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.09.16更新

今日は小鳥のセンター病院です。今回のBLOGは鳥さんの羽についてです。「はね」といっても、羽、羽根、羽毛など様々な言い方があります。どのように違うのでしょうか?


初めに・・・「羽」、「羽根」、「羽毛」の使い分けとは?

 「羽」、「羽根」、「羽毛」は全て「はね」を意味しています。この文の中での「羽」と「羽根」と「羽毛」の使い分けは、「羽」は身体に付いている状態の羽根の事を指しています。「羽根」は羽1枚1枚の事を指します。「羽根」を専門的な用語でいうと「羽毛」になります。すなわち身体に付いているときは「羽」、身体から離れて一枚ずつになると「羽根」または「羽毛」と言う表し方で使用しています。

投稿者: 小鳥のセンター病院

2012.09.09更新

今日は小鳥のセンター病院です。今回のBLOGは鳥さんのアボカ中毒についてです。人間は平気なのですが、鳥さんには中毒物となります。


アボカド中毒
アボカドは森のバターと言われるぐらい栄養価のある果物で人気があります。オレイン酸は動脈硬化を防ぎ、ビタミンや食物繊維も豊富、果物の中で一番タンパク質を含みます。栄養価が高いため、最も栄養価の高い果物としてギネスブックに載っています。そのため特に美容にいいとのことで女性には人気の高い食べ物です。

アボカド

栄養価が高く美味しい食べ物なのですが、、、、、。


  しかしこの栄養価の高いアボカドは鳥さんには思わぬ中毒を引き起こします。アボカドは買ってきてすぐに食べられない事が多い果物です。アボカドの熟成を行ってから食べます。室温で熟成できるアボカドはしばしば室内に放置しておきます。この時、鳥さんがつついて食べてしまうと中毒を起こします。実はアボカドを食べても平気なのは人間だけで、ワンちゃんや猫ちゃんにも中毒を起こします。アボカドの種、実、葉、枝などには「ペルシン」と言われる殺菌作用のある毒素があります。ペルシンは種から実に向かって広がっていきます。この毒素の詳しい薬理作用はまだ不明ですが、摂取する事によって嘔吐や下痢などの消化器の症状、ひどくなると呼吸困難や虚脱や循環障害などを起こして死亡する事があります。アボカドの栽培やアボカドの熟成は鳥さんを含めた様々な動物が届かない場所に置くようにしましょう。

投稿者: 小鳥のセンター病院

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